このニュースレターでは、Web3に興味のある方、Web3関連の情報収集を効率化したい方に向け、話題のプロジェクトやトピックをやさしく解説していきます。毎週水曜日朝6時に配信しておりますので、情報収集にぜひお役立てください。クリプトを楽しみながら一緒に学習していきましょう。
今週はMetaMaskなどのクリプトを扱えるウォレットアプリの仕組みをおさらいしたいと思います。
暗号資産のウォレットアプリは、物理のウォレットとは仕組みが異なるのですが、同様の仕組みであると誤解しやすいです。入門者向けとなりますが、資産を守るための重要な認識です。
また、今週はWeb3 Topicsのコーナーを再開しました。今週までに目に留まった記事を取り上げコメントを掲載しています。振り返りにご活用いただければと思います。
以下、Main TopicのSummaryです。
Summary
MetaMaskはウォレットではなく、「トランザクション送信と分散型台帳を参照できるアプリ」と再認識すると良い
暗号通貨が保存(残高が記録)されているのはブロックチェーン(分散型台帳)である
MetaMaskは自分の秘密鍵に該当する暗号通貨の残高をブロックチェーンから参照して表示させているだけ
秘密鍵で署名され、公開鍵で復号化できると検証ができたのであれば、ウォレットの管理者であると認識されるので、重要なのは秘密鍵を守ること
クリプトにおいては、情報収集と自分で考えて行動する(自分の行動に説明ができる)ことが重要であり、インフルエンサーやネット上で知り合った人などから提供された「うまい話」には大抵、疑ってかかるというのが基本姿勢であるべきだと思う
学ぶことの意義とは、情報の真偽を見極めるための準備作業であり、自分の身だけでなく大切な存在を守るための最も身近に取れる手段である、と言える
それでは、今週もよろしくお願いします!
1. Main Topic:🦊 暗号通貨はウォレットに入っていない
MetaMaskはウォレットではなく、「トランザクション送信と分散型台帳を参照できるアプリ」と再認識すると良いかも知れません。
この定義だけでは、理解ができないはずですので、以下、解説していきます。
MetaMaskには、自分の暗号通貨があたかも保管されているように見えますが、実際に保管されている訳ではありません。
では、どこに暗号通貨は保管されているのか?
答えは、「ブロックチェーン(分散型台帳)に記録されている」です。
MetaMaskは秘密鍵から生成した公開鍵を管理でき、秘密鍵で署名したトランザクション(一連の取引)をブロックチェーン(のネットワーク)に送信できます。
このトランザクションがマイナーやバリデータにより自分の公開鍵によって検証され、新しいブロックに記録されます。
例えば送金の場合、Aさんの残高を減らす→Bさんの残高をAさんの減った残高分増やす、というトランザクションによる情報をブロックチェーンに記録してもらいます。
つまり、MetaMaskは自分の秘密鍵に該当する暗号通貨の残高をブロックチェーンから参照して表示させているだけです。
これが、「暗号通貨はウォレットに入っていない」と表現した理由です。
重要なのは秘密鍵を守ること
秘密鍵で署名され、公開鍵で復号化する検証ができたのであれば、ウォレットの管理者であると認識されます。
あなたが利用しているPCにインストールされたMetaMaskは、秘密鍵(厳密には秘密鍵そのものはただの文字列。ユーザーが扱っているのは秘密鍵から作られた12以上の英単語)さえ入力できてしまえば、どの端末からでもアクセスできます。
言い換えれば、秘密鍵から生成された英単語さえ知っていれば、他人であっても残高を移動させる署名ができる=暗号通貨が盗まれる、ということになります。
学ぶことの意義とはなにか
今回紹介した内容に厳密性はなく、暗号方式の詳しい説明も省いています。このあたりに興味がある方はぜひコメントでご質問いただければと思います。
最後にまとめておくとすれば、クリプトにおいては、情報収集と自分で考えて行動する(自分の行動に説明ができる)ことが重要であるということです。
DeFiでも、NFTでも様々なスキャムが存在し、運営をたくみに装いサポートのふりをして秘密鍵を盗もうとしてきます。
それだけではなく、最初にプロジェクトの大風呂敷を広げて資金を集めた後、資金を持ち逃げするといったラグプルや、資金を運用しているようにみせてユーザーの資金を横流ししているだけのポンジスキームもあります。
儲けた人がいるのは損をした人がいるといういわゆるゼロサムゲームの一面があることは承知しておくべきでしょう。そのスリルを楽しむのは、ギャンブルと同じだと認識しています。
クリプトだけではありません。銀行では手数料を取れるだけとろうと、特に必要でもない金融商品を紹介されますし、クレジットカードではリボ払いという雪だるま式に消費者を苦しめるサービスを聞こえがいいように販売されています。
インフルエンサーやネット上で知り合った人などから提供された「うまい話」には大抵、疑ってかかるというのが基本姿勢であるべきだと思っています。
学ぶことの意義とは、情報の真偽を見極めるための準備作業であり、自分の身だけでなく大切な存在を守るための最も身近に取れる手段である、と言えるでしょう。
本日のMain Topicは以上です。
参考
2. Web3 Topics
今週までのWeb3に関連するトピックをピックアップしていきます。インプットにお役立てください。
今週のトピックは以下の通りです。
1.CloneXのスマコンを読んでみる(1) NFTのソースコード(スマートコントラクト)がどのようになっているのか興味があれば、読み進めるだけでCloneXのコントラクトがどのようにトークンを発行しているのかを覗いてみることができます。
特にCloneXは、リビールされるまでどんなNFTが入手できるかわからない特殊な構造ですが、コントラクトは意外にシンプルでした。
スマートコントラクトの骨子の部分だけを切り取って解説する部分が非常に分かりやすかったです。
続編ではどのように手に入るNFTがランダム化されているのかを解説されるようです。
2.Optimism vs. Arbitrum — A Complete Comparison OptimismとArbitrumの比較が分かりやすく解説されています。現状、TVLはArbitrumが一強状態ですが、その成功要因の分析にも役立つだろうと考えています。L2のマーケット分析にはL2Beatを使っています。
個人的には、ArbitrumはマルチラウンドFraud Proofで、OpitimismはシングルラウンドFraud Proofを採用しているという違いに興味がわきました。
Optimismはレイヤー1で実行されるシングルラウンドのFraud Proofを使用し、Artibrumはオフチェーンで実行されるマルチラウンドのFraud Proofを使用します。Arbitrumのマルチラウンド不正証明は、シングルラウンド証明よりも低コストで効率的であり、2つのうちより高度なもの、と言われています。
なお、まだFraud Proofは完全な形で実装されているわけではありませんので、自分の資産をL2側に移す場合にはそれなりのリスクを伴います。
L2は今後も注目していきたい分野なので、別途リサーチを行なって、ニュースレターかどこかで紹介できればと考えています。
参考:【Arbitrum Odessey】📆 NFTスタンプラリーでエアドロップに備える
3. イーサリアムL2「Aztec」、新たなプライバシーソリューションをローンチ こちらもL2の話題です。Aztecは金融のプライバシーに関する課題を解決するために創設されたプロダクトで、ゼロ知識証明を活用しています。
ユーザーは、Aztec Connectを使い、イーサリアムブロックチェーンとのブリッジを行え、Aztec Connectにトークンを入金→プライバシーが確保された資産を発行という流れで活用します。
それをDeFiのプラットフォームに送金して利用することで、ユーザーはプライバシーが確保された状態で取引が行えるようになる。新しく発行される資産は「zkETH」という名称になる、とのことです。
プライバシーを秘匿しながらDeFiでの資産運用ができるという点で、今後より一層注目されそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
若干説教くさい内容になってしまった気がしますが、次回の意味も込めて今回の内容をまとめまさせていただきました。
今回は、Web3 Topicsのコーナーを復活させてみました。
ニュースの振り返りになりつつ、情報収集が少しでも楽しくなるような工夫をしていきたいと思います。まずは、リンクの羅列だけではなく、コメントを加えることでどのような観点でインプットすればよいのかを僕なりの視点でつけてみました。
もし参考になったという声が多ければコーナーを拡充していきたいと思います。
それでは、また。
以下の「Subscribe」をクリックすると毎週水曜日朝6時にメールでこのコンテンツが届きます。情報収集にお役立てください⚡️🎧
「いいね」と思っていただいた方は、ぜひ♡のクリック、コメント、Twitterでのシェアをお願いします!通知を確認したらリツイートさせていだきます。
バックナンバーはこちらからご覧いただけます。
⚡️Twitter:@LawrenceTokyo
🎧Podcast:Lawrence Crypto Radio
🚀Discord:Crypto University