AaveのフォーラムにてAave V4とそれに関するロードマップがAave labsから提案されました。現時点では、Temp checkが行われます。
Aave V4では、モジュール性や資金効率性、ステーブルコインGHOの改善を強化していくそうです。詳細についてはDeep Diveで触れたいと思います。
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📰 crypto news
Tether社の2024年Q1の利益が45.2億ドルとなったことが発表されました。Tetherが保有する合計資産も113億ドルを超え過去最大規模となっています。
これらの収益のほとんどは、米国債権、ビットコイン、金の保有によるものだそうです。
https://defillama.com/stablecoins
https://x.com/eigenfoundation/status/1786152862688690589
EigenLayerの初期エアドロップに変更が加えられ、スナップショット時点のEIGENの対象者に全体で追加の280万EIGENが割り当てられることが発表されました。
これはおよそ対象ウォレットあたり100EIGENとなります。
EIGENが交換・移転できるようになるのは、9月30日以降のガバナンス投票によることが発表されています。
ブリッジプロトコルのLayerZeroがエアドロップのためのスナップショットを行ったことを発表しました。面白い点として、エアドロップでシビル行動を行っていたアドレスを自己申告することで割り当てられるはずの金額の15%を与えるとのこと。
申告しなければ、何も得られないリスクを犯すよりも、申告して15%の利益を確定させる人、シビル行動を取っていると思われるユーザーのアドレスを通報する人もいるみたいです。
報告を行うとシビルに割り当てられた金額の10%がもらえるそうです。
また、申告されたすべてのシビル行動を取ったアドレスリストは公開されます。これは今後、シビル対策を行うプロジェクトに参照されていく可能性があるため重要性が高いかも知れません。
興味深い点としては、
ユーザーにちくる制度を設けているところ
自己申告した方が合理的な状況にしたこと
です。いままでありそうであまり活用されていない事例であり、今後も参考にされる可能性はあるでしょう。
しかし、今回のスナップショットが複数回に渡るエアドロップを示唆していることから、1回のアロケーションが少なくなるという失望の声もあります。
エアドロップの噂とそれによるファーミングによって恩恵を受けてきたプロジェクトなだけに、第2ラウンドは時期が遅くなる可能性もありそうです。
web3ニュースレタープラットフォームのParagraphがUnion Square VenturesとCoinbase Venturesから500万ドルの資金調達ラウンドを経て、クリプトパブリッシャーのMirrorを引き継ぐことが発表されました。
MirrorやParagraphを利用しているユーザーには短期的には特に変更なく、今まで通りサイトを利用できるようです。今後お互いの機能が統合されていく可能性があります。
Mirrorは、2020年にローンチされた
decentralized storage
decentralized domains
crowdfunding campaigns
NFT tooling
Writing NFTs
などを扱えるツールでした。今後はクラウドファンディング機能などがParagraphに追加されるかも知れません。
🫧 Deep Dive
Aave V4の開発提案の概要 統合流動性レイヤーとLLAMM型ソフト清算の導入
Aave LabsかガバナンスフォーラムにてAave Protocol V4の開発を提案しました。これはAave 2030助成金プロポーザルの一環であり、タイムラインとしては2024年Q2から初期開発を行い、2025年半ばまでに完全リリースをする予定です。
現在のAaveは、およそ100億ドルを超えるTVLを誇り、12以上のネットワークに展開されています。
以下、目に止まった機能についてのみ触れます。開発提案全体については、Temp checkの原文からご確認いただけます。
V4のアーキテクチャ
これまでのV3までのAaveは一貫したアーキテクチャを採用し、Aaveを活用するDeFiプロトコル(インテグレーター)への負担を最小限に抑えた設計でした。
V4ではサードパーティのインテグレーターへの影響を最小限に抑えながら、モジュール設計(機能ごとの単位に分けた)と呼ばれる新たなアーキテクチャで構築されます。
Unified Liquidity Layer(統合流動性レイヤー)
今回最も重要な変更になるだろうとされています。Unified Liquidity Layerは、V3 によって導入されたポータルの概念を一般化します。
Unified Liquidity Layerでは、複数の個別の流動性プールを一つの統合されたレイヤーにまとめます。これにより、異なるプール間での資金の移動が不要になり、ユーザーが利用できる流動性が一元化されます。結果として、資金が分散しすぎて利用効率が低下するという問題を避けることができます。
このアーキテクチャにより、システム全体や清算モジュールを変更することなく、借入機能 (分離プール、RWA モジュール、CDP など) を追加または改善できます。また、古いバージョンのプロトコルにあった流動性の断片化の問題も回避されることになります。
Unified Liquidity Layerは、供給された資産とネイティブに鋳造された資産の両方をネイティブにサポートできるため、GHO およびその他の担保付きの Aave ネイティブ資産との統合が向上します。
流動性Premium
流動性レイヤーのもう 1 つの新しい特徴は、流動性プレミアムの導入が提案されていることです。
よりリスクの高い担保(集中化への依存または市場リスクのいずれかによる)は、それに応じて価格設定される必要がありますが、Aave V3 の現在のバージョンではこれは不可能です。
流動性プレミアムは、担保構成に基づいて借り手に調整された借入コストを導入するために提案されています。EthereumにおけるETHのような低リスク担保を使用する借り手にも基本金利(Base Rate)が導入されます。
これによって、供給者にはより多くの利回りをもたらし、最も強力な担保を使用する借り手には手数料を削減することを目指します。
Aave V4 Borrow Module
V4 はスマート アカウントの概念の導入し、ーザーが 1 つのウォレットだけを使用して必要なだけスマート アカウントを作成できるようになり、プロトコルとのやり取りが大幅に簡素化します。
例えば、ユーザーがeModeを使用してIsolated assetsを使用する借り入れポジションを作成する場合、別のウォレットを使用する煩雑さを回避できるようになります。
この機能によって、これまでフォーラムで議論されてきたAave Vaultsという概念を導入可能にします。ユーザーが担保を直接流動性層に供給することなく借入れを行うことができる機能です。
具体的には、ユーザーは自分の資産をVaultに預け入れることで、その資産を直接流動性プールに投入することなく、借入が可能になります。これにより、担保として預け入れた資産は、借入ポジションがアクティブである間、または清算イベントが発生するまでロックされます。
Fuzzy-controlled Interest Rates
Fuzzy-controlled Interest Ratesは、金利の設定をフルオートメーション化し、市場の需要に応じて金利の形状(スロープ)と変曲点(kink point)を動的に調整する能力を持っています。Aaveの現行モデルでは、これらの金利設定はガバナンスによって制御されており、これがガバナンスの負担と資本効率の低下を招いているとされてます。
Fuzzy-controlled Interest Ratesを利用することで、金利の変曲点を市場状況に合わせてアクティブに制御できます。
市場の需要が高まると基本金利を上げ、需要が減少すると金利を下げます。この動的な調整により、預金者と借り手双方にとって最適な金利を提供することが可能になります。
GHOの「ソフト」清算
このメカニズムは、crvUSD が最初に開発した清算モデルと概念が似ています。以下は参考記事です。
crvUSD と比較して、Aave V4 設計には 3 つの主な利点があるとされています。
ユーザーは、担保バスケット内でどの担保を GHO に清算するかを選択できる
ユーザーは、Aave プロトコルで利用可能なすべての資産 (最初に提供されていない資産も含む) 内でどの担保を買い戻すかを選択できる
GHO は自動的に (供給可能な市場で) 利息を獲得する
その他として、GHOとRWAの活用にも焦点を当てているそうです。
https://twitter.com/aave/thread/1785749923893223485
まとめ
Aave V4の開発計画では、2024年第2四半期に初期開発が始まり、2025年半ばまでに完全リリースされる予定です。
Aave V4はモジュール型アーキテクチャを採用し、「統合流動性レイヤー」を導入することで、流動性の断片化問題を解決し、異なる借入機能をシームレスに追加・改善できます。
さらに、「流動性プレミアム」導入により、リスクに応じた借入コスト調整が可能となり、供給者には高い利回りを、安全な担保を使用する借り手には低い手数料を提供します。
今回は以上です。
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