👑 Bitcoin ETFによってBitcoinがゴールドのような資産として世界中から認識されるようになる
なぜETFによってBitcoinへの期待が高まるのか 2023-06-26 DIVE INTO CRYPTO - #71
世界最大の資産運用会社であるBlackRockが、Bitcoin ETFをSECに承認申請したことで、期待の高まりによりBitcoinの価格が上昇傾向を示した。
米国ではBlackRockに続いて、Valkyrie、Invesco、WisdomTreeの3社もBitcoin ETFを申請している。どこも過去に承認を申請したが却下された企業たちだ。
今回のニュースレターでは、Bitcoin ETFがなぜ望まれているのか、今回の申請が他とどう違ってなぜ注目されているのか、について解説する。
Bitcoinの価格上昇を何となく喜んでいたけど理由がいまいち分かっていないという人にとって役に立つように書きたいと思う。さらに、今後どのような展開が予想できるかも筆者の考えを踏まえて書く。
それでは今週もよろしくお願いします。DIVE INTO CRYPTO!
このニュースレターでは、クリプトとテックトレンドに対する筆者独自の洞察を提供します。読者の経済的利益とビジネス優位性のサポートを目指していますので、興味がある方はぜひ購読お願いします。
Table of contents
Bitcoin ETFとは何か
Bitcoin ETFの概要
Bitcoin ETFによってなぜ期待が高まるのか
Bitcoin ETFの歴史と今回の申請
Bitcoin ETF申請が却下されてきた理由
今回の申請の特徴
今後の展開と考察
Bitcoin ETFが承認された場合
Bitcoinがゴールドのように世界中から認識される可能性
そもそもBitcoinってどんな資産
Bitcoin ETFとは何か
Bitcoin ETFの概要
まず、Bitcoin ETFとは、現物BitcoinのETF(Exchange Traded Fund)。つまりは上場投資信託のこと。ETFと投資信託の違いは以下が分かりやすい。
基本的にはBitcoinと同じ値動きをするようになっており、Bitcoinを投資信託として公開市場で取引できる「証券」にしたものと考えればよい。
Bitcoinは暗号資産であり、現物を保有しようとすると投資会社などでは困難な場合がある。例えば法律上の定義や、秘密鍵を管理するオペレーションの複雑性など未整備の部分が多いからだ。
そこでETFとして上場させてしまい、証券化された商品としてBitcoinに投資できるようにすれば、このような問題は解決できることになる訳だ。
Bitcoin ETFによってなぜ期待が高まるのか
Bitcoin ETFによって、米国でも伝統的な機関投資家やBitcoinのウォレットを持っていない個人投資家がBitcoinに投資ができるようになる。
つまり、Bitcoinに投資できる層が世界中で増えることになる。これまで大口の投資家がBitcoinに投資を行う場合、秘密鍵管理のリスクや、取引所のカウンターパーティーリスクを取って投資を行うのが必要があった。
こうしたリスクを回避しながらBitcoinに幅広い層がアクセスできるようになることがBitcoinの需要を底上げし、価格に良い影響を引き起こすのではないということが背景となる。
これまでの申請内容との違い
Bitcoin ETF申請が却下されてきた理由
これまで様々な米国企業がBitcoin ETFの申請を行ってきたが、SECの承認は下りなかった(先物系は承認されてきた)。これまで現物のBitcoin ETFが承認されてこなった主な理由は以下だと言われている。
価格基準が曖昧
ETFの流動性に対する疑問
信頼できる信託会社の不在
裁定取引の機会が未熟
市場価格の操作性
特に流動性が低く、大口の投資家やインフルエンサーなどのツイートによって市場価格が恣意的に操作できてしまうという懸念が承認されない最も大きな理由だったと言われている。
今回の申請の特徴
今回のBlackRockのBitcoin ETFの申請の特徴は、「監視共有合意」(Surveillance Sharing Agreement)または「Spot BTC SSA」と呼ばれる仕組みを含めた点にある。
この仕組みは、市場の透明性を向上させ、取引所が不正取引や市場の操作をより効果的に追跡、調査、防止するのに役立つとされている。
これにより懸念がある程度解消され、SECからの承認が期待できると考えられている。ただし、この仕組みについても様々なな意見があるので見通しは不透明だとは思う。
今後の展開と考察
Bitcoin ETFが承認された場合
BitcoinのETFは、Bitcoinをより「一般的な」投資商品として認識することにつながる。
これは、Bitcoinが主流な金融システムとより密接に結びつくことを意味するが、BitcoinのDecentralizedな性質に変化をもたらすものではない。
市場から求められるBitcoinの役割は時代とともに変化するが、Bitcoinの基本的なプロトコルは不変のはず。
Bitcoinを投資対象として見る投資家層が存在しないとBitcoinの流動性も不足し、価格が下落すればマイニングする意味が減少するのでセキュリティの低下を招くことになる。
これの逆のロジックを辿ることができるならば、ETFのために市場から買い上げられるBitcoinによって需要が刺激されれば、さらに多くの分散されたマイナーがBitcoinをマイニングするようになりセキュリティの向上も期待できることになる。
Bitcoinがゴールドのように世界中から認識される可能性
Bitcoin がゴールドと似たようなものとして扱われるのは聞いたことがあるのではないだろうか。
ゴールドのETFが初めて米国で上場したのは2004年。意外と最近の出来事で少し驚くのではないだろうか。
ゴールドのETFは、SPDR Gold Shares(GLD) というETFで、現在も最大のETFとなっており、最初に出したETFが最も多くの投資家によって採用されやすいという背景があり、多くの企業が最初に承認されることを狙っている。
2004年に400ドル程度だったのが、2008年頃までに倍増し800ドルを超えた。約10年ほどでピークに達し、その後は経済動向に連動していくようなチャートを見せている。
世界の中央銀行は、ゴールドを現物ではなくETFで保有し市中の金融機関などもそれは同様。ETFによって将来的にBitcoinがゴールドのような資産クラスとして、世界中に認識されるようになるかも知れない。
そもそもBitcoinってどんな資産
ETFという文脈からBitcoinを考えるとどうしてもBitcoinの存在意義を忘れやすい。
Bitcoinの特徴は要点をあげると、
法定通貨に関わらないゴールドのような価値の貯蔵手段
既存の金融システムに寄らない決済手段
分散型経済システムによる集合組織
経済合理性によって持続的に駆動する分散型台帳
以上のように様々な点があげられる。
Bitcoinの最も重要な存在意義は上記のような特徴にあり、今まで述べた点はこの前提を根拠として成り立つ金融システムの一つの側面に過ぎないということ。
つまり、信頼するものを介在させた金融システムではなく、信頼する対象を限りなく減らし個人による管理を徹底的に行うことが可能な点だと思う。
ぼくはBitcoinを投資対象としても見ているが、本質的な価値は上記の点であり、だからこそ資産として存在し続けることができるのだと認識している。
この特性を有している資産は世界でもBitcoinしかなく、だからこそ唯一無二の存在としてその価値を認識されるのではないかと思う。
本日は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。もしこの記事を気に入っていただけたらいいね、Twitterでのシェアをしてだけたら嬉しいです。感想や質問はコメントでいただけると励みになります。
参考記事
BitcoinやEthereumなどのETFの基本情報 アメリカでの上場可能性と実現した場合の影響(HashHub Research)
BlackRock May Have Found Way to Get SEC Approval for Spot Bitcoin ETF(CoinDesk)
Will BlackRock's Bitcoin ETF Take the Spirit Out of the Honey Badger?(CoinDesk)
ビットコイン現物ETF、新たに3社が申請 SECの懸念に対応し再挑戦(Coinpost)
読者のコーナー
本コーナーでは、Twitterでいただいたリプライやニュースレターの感想を紹介しています。いつもありがとうございます!
お知らせ
購読者限定のweb3キャリアカウンセリング、コンサルティングをはじめました。
クリプト業界への就職・転職に興味があるがどうしたらいいか分からない
web3事業をはじめたいけどどこから手をつけたらいいか分からない
今後この業界がどうなっていくと考えているか意見を聞きたい
などについてオンラインでの面談にて。費用は無完全料です。時間は20分限定となります。興味がある方はTwitterのDMで受付しております。
免責事項
このニュースレターは、教育目的の情報提供を主旨としており、金融に関するアドバイスではありません。ご自身での調査やデューデリジェンスが必要です。
もしあなたがSubstackのユーザーなら、ぜひこのニュースレターをRecommendしていただけたら幸いです。