今週は11のニュースと、エアドロップに関するインサイトを書いています。
特にDePIN、リステーキング、ID系のニュースが目に付く週でした。
エアドロップに関しては、zkSyncの次に優先度の高いプロジェクトについて、どういう準備をどうやってすすめればいいのか、という観点で現時点の考えをまとめています。
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⛓️ Resources
Symbiotic - Advanced DeFi Strategies for stETH with Mellow Finance
1 Billion Unlocked Over Decade in Community Grants Program for Polygon Builders
Irys raises a total of $8.9 million in Lemniscap-led funding round
zkVM for TEEs: Attestation aggregation and TLS verification with RISC Zero
Uniswap Labs announced the acquisition of the survival game "Crypto: The Game”
Introducing Cycloid: Ethereum Transactions Over Radio
Austinで開催されたConsensus Conferenceで、無線環境からEthereumのトランザクションの署名や位置情報の代わりとなる仕組みを発信できるハードウェア「Cycloid」が発表されました。
Cycloidとは
Cycloidは、ラジオを使ってEthereumトランザクションを送信できる初のFOAMエンドユーザーデバイスといわれています。このデバイスは、Proof of Location(位置情報の証明)に利用され、Ethereumトランザクションの送信や署名、アプリの実行が可能な拡張性の高いハードウェアウォレットとして機能するとのこと。
Cycloid Liveというデスクトップアプリケーションが提供されており、Cycloidをハードウェアウォレットとして使用したり、ファームウェアのフラッシュや更新、トランザクションのプリコンフィギュレーション、ラジオパラメーターの設定が可能となっているようです。
Cycloidは、位置情報サービスを必要とするアプリケーション向けのProof of Location技術を提供し、ユーザーの位置を証明します。このシステムはGPSのような衛星ベースの位置情報サービスに依存せず、デジタルでの位置データの改ざん防止が可能です。
Cycloidは、インターネット接続が不要でラジオ無線通信を使ってEthereumトランザクションを送信できるため、インターネットアクセスが限られた地域でも利用可能だと思われます。
特にIoTデバイスとの統合が期待できます。リアルタイムで位置情報をブロックチェーンに送信し、中央集権的な位置情報サービスの代替として機能することで、位置情報をトリガーにしたスマートコントラクトの自動実行などがシームレスに実現できるかも知れません。
位置情報DePINのFOAM
開発元のFOAMは、クラウドソーシング マップと分散型位置情報サービスを可能にするツールを提供しています。
ネットワークの参加者には、FOAMトークンを獲得する資格が与えられるようです。
株式市場、サプライ チェーン、航空業界、電力網、通信ネットワークなど、多くのものが GPS に依存しているといいます。
しかし、GPSはハッキングなどに脆弱で安全な位置情報の提供や検証が必要、というモチベーションのようです。チェーンはEthereumです。
ユースケースとしては、
IoT
地理空間データ
サプライチェーン
モビリティサービス
保険
ロケーション情報活用
など、幅が広い点からも注目に値するプロジェクトだと感じます。
Symbiotic - Advanced DeFi Strategies for stETH with Mellow Finance
EigenLayer、Karakの競合にあたるリステーキングプロトコルをLidoの共同創業者コンスタンチン・ロマシュク氏とヴァシリー・シャポバロフ氏がVCのParadigmの支援を受けてMellow Protocolとの提携を行いSymbiotic(スィンビオティック)というプロトコルを開発していると発表されました。
メインネットにはすでに展開されており、ローンチ直後にすべてのLSTのキャップ上限に達してしまうほどの注目度の高さです。
Lidoからは、これに伴いstETHをどのように活用すればいいのかというDeFi戦略が紹介されています。
Mellow Protocolでは、4つのVaultが稼働しています(現在のところ、Symbioticのデポジット上限に達しており預け入れは停止されているみたいです)。
もしSymbioticのキャップが開放されたら、Mellow経由でデポジットすればMellowとSymbioticのどちらにもエクスポージャーを持つことができるので、エアドロップファーマーに人気になってるようです。
stETH、LidoのEthereumエコシステムでのネットワーク効果は非常に働いており、DeFi全体のTVLのおよそ30%がLidoのTVLです。
リステーキングプロトコルの真骨頂は、セキュリティの供給先であるAVS(Active validated Services)なので、ここで如何に差別化されるかが重要です。
EigenLayer陣営はa16z、Lido陣営にはParadigmといった構図ができつつあるように見えます。
1 Billion Unlocked Over Decade in Community Grants Program for Polygon Builders
Polygonが開発者向けにコミュニティ助成プログラムを立ち上げました。10年間で10億ドルの資金提供を行う予定です。
シーズンごとに割合が決まっており、シーズン1では3,500万ドル相当のMATIC(POL)が投入される予定です。
Polygon ID spins out as Privado ID
Polygon IDがPrivado IDとしてスピンアウトしました。
生成AIによるインターネット上の情報の信頼性、アイデンティティへのニーズを強調しており、オンチェーンでのSSI(self-sovereign identity)に焦点が当てられています。
Privado IDは、オンチェーンとオンラインデータの両方で機能するデジタルアイデンティティとレピュテーションソリューションに対する世界的な需要を満たすことを目指していると語っており、Privado IDのまとめた情報によればこの市場規模は223年の308億1,000万ドルから2030年までに1,013億7,000万ドルに増加し、CAGRは18.5%になると予想されています。
Privado IDは、Iden3 ProtocolとPolygon IDの背後にあるチームによるプロトコルに依存しない設計で構築されており、Polygonを超えて拡張されていくようです。
今のところ開発されているのは、スマホでも利用可能なワンクリックのVerificationIDを可能にするIDツールを提供しています。
Irys raises a total of $8.9 million in Lemniscap-led funding round
Irys(旧Bundlr Network)は890万ドルの資金調達を行い、そのうち350万ドルはLemniscap主導で調達されました。
Irysはスケーラブルなオンチェーンストレージとデジタル情報の追跡・検証インフラを提供しており、この資金調達によりトランザクションボリュームの増加とデータスループットの向上を目指すといっています。
IrysはBackpack、Metaplex、Sound.xyz、Lens Protocolなどのプラットフォームで利用されてます。
How zkSharding Addresses the Blockchain Trilemma
=nil; FoundationというEthereumのレイヤー2を開発しているプロジェクトから、zkShardingというスケーリング手法が記事になっていたので紹介します。
ブロックチェーンのトリレンマへのアプローチの一つとして、分散性を犠牲にすることを防ぎつつスケーリングできるという点で興味深いと思いました。
zkShardingは、シャーディングとゼロ知識証明(ZKPs)を組み合わせた技術です。シャーディングは、ネットワークを複数の小さな部分(シャード)に分割し、それぞれが独立してトランザクションを処理することで、ネットワーク全体の処理能力を向上させます。
ゼロ知識証明(ZKPs)は、データの内容を明かさずにトランザクションの有効性を証明する技術で、各シャードのセキュリティを強化します。
zkShardingは、これらの技術を組み合わせることで、スケーラビリティとセキュリティ、そして分散化を同時に実現します。具体的には、複数のシャードで並行してトランザクションを処理し、ZKPsを用いて各シャードのトランザクションの有効性を検証します。これにより、ネットワークの処理能力が向上し、一部のノードに権限が集中するのを防ぎます。
zkVM for TEEs: Attestation aggregation and TLS verification with RISC Zero
Trusted Execution Environments(TEEs)とRISC Zeroというゼロ知識仮想マシン(zkVM)を組み合わせることで、スマートコントラクトがどのように強化されるかについて解説された記事です。
TEEsは安全な計算環境を提供し、ブロックチェーン上での処理を隔離された形で行います。これにより、セキュリティが強化され、データの機密性が保たれます(例:Intel SGX)。
zkVMは、TEEsで行われる計算が正確であることをゼロ知識証明(ZKPs)を使って証明します。これにより、計算の正確性を第三者に証明することができ、オンチェーンでの検証コストを大幅に削減することができます。
この記事では、特にIntel SGXのDCAPアテステーションの検証が従来の方法に比べて8倍安価になる点が強調されています。従来の方法では、オンチェーンでの検証に約300万ガスが必要でしたが、RISC ZeroのzkVMを使用することで、これが約35万ガスにまで削減される、とのことです。
zkSyncがエアドロップを発表しました。同時にプロトコルのガバナンスを行うzk Nationを立ち上げを発表しました。総発行量210億、コミュニティには2/3が割り当てられました。今回のエアドロップには、17.5%分になります。zkSyncを利用したユーザーには、89%が割り当てです。
今回のエアドロップでは、人間中心のアプローチで実際のユーザーを識別することを樹点をおき、クジラによる不公平をなくすためアドレスごとに10万を上限に設定。
基準は以下のように設定されていたようです。
ここから分かる今後の教訓としては、
人間らしいウォレットとは、リスクを犯してある程度の時間をチェーンで過ごし、色々なコントラクトと交流、多くの種類のトークンと取引を行い、新たなプロトコルを試したり、投機的な資産を保有している。ボットなどは最小限の労力、低リスクの傾向がある、と考えられる
これを数値的に落とし込むと、
10以上のコントラクトの利用
DeFiプロトコルへの流動性提供
チェーン固有の特徴的な機能(zkSyncの場合はPaymastar)の5回以上の利用
10以上のERCトークンのトレード
コミュニティのNFTの保有
Gitcoinでの寄付
メインネット展開前までの異なる3月以上チェーンでTxを発行している
zkSyncのZKのClaimはアカウント抽象化のPaymastarでガスフリーだそうです。Claim後、トークンの所有者はzkSyncのガバナンスに参加するか、トークンの委任ができます。
FAULT PROOFS & STAGE 1 HAVE ARRIVED
OP Mainnetの最新アップデートにより、セキュリティが強化されました。
具体的には、フラウドプルーフが導入され、誰でも不正なステートルートに挑戦できるようになり、ユーザーが信頼できる第三者なしにETHやERC-20トークンを移動できるようになりました。
また、強制L1->L2トランザクションが追加され、資金の移動がより自由になりました。契約のアップグレードにはFoundation MultiSigとSecurity Councilの合意が必要となり、セキュリティが向上しました。さらに、フラウドプルーフシステムにバグがある場合には、セキュリティカウンシルが最終的な判断を行います。
Uniswap Labs announced the acquisition of the survival game "Crypto: The Game”
Uniswap Labsは、インタラクティブなオンチェーンサバイバルゲーム「Crypto: The Game(CTG)」を買収し、CTGチームがUniswap Labsに加わることを発表しました。
Uniswapとどのような関連を持つかは分かりませんが、ゲームのもつ訴求力をUniswapエコシステム内から拡大していく可能性があり、DeFiプロトコルの動きとしては興味深い動向です。
今後最新の動きがあった場合は、詳しく紹介したいと思います。
Nuffle - $13M funding led by ElectricCapital
高速なDAとセトルメントレイヤーを提案するNuffleが1,300万ドルの資金調達を行いました。
Nuffは、超高速ファイナリティレイヤー(Super Fast Finality Layer:SFFL)として、NEAR DAとEigenLayerのエコノミックセキュリティを利用した高速なブロックファイナリティを提供するレイヤーのようです。
SFFLのアーキテクチャは、オフチェーンのオペレーターとアグリゲーター、AVSノード、そして複数のオンチェーンコントラクトで構成されています。Ethereum Mainnetでは、EigenLayerコントラクトとやり取りするSFFL AVSコントラクトセットがあり、ロールアップネットワークではネットワーク状態証明をチェックするためのSFFL検証契約が存在します。
また、NEARには、参加しているロールアップネットワークごとにNEAR DAコントラクトがあり、ブロックデータを保存する役割を果たします。
🫧 Deep Dive
zkSyncがエアドロしたら次って何すればいいの?
zkSyncがエアドロップを発表しました。現時点で個人的に注目してるプロジェクトについては、以下の投稿でシェアしています。
zkSyncの次に最も触っておいた法が良いと考えているのは、Scrollです。4回のラウンドで80ミリオンドル以上調達しており、Qiming Venture Partners、Polychain、Bain Capital Crypto、Sequoia Capital Chinaなどが参加しています。
Scrollに関しては、
DEXへの流動性提供
Perpetualの利用
コントラクトのデプロイ
NFTの売買、保有
を意識して、できるだけ当てられる資金をつぎ込もうかな、と思っています。
調達金額からもバリエーションの観点から、エアドロップが行われるとしたらzkSyncやTaikoと同じように大きなものになると予想されます。十中八九、今後TVLが増していくはずです。
なので、優先順位は比較的高いかなと思っています。なお、投稿に記載していませんが、ConsensysのzkEVMであるLineaについても優先順位はScrollより劣後しますが、触っておくと良さそうです。
Scrollのエアドロップ関連のリンクを掲載しておきます。DYOR。
ネットワークの追加
ブリッジ
https://www.orbiter.finance/
など
DEX
Perpetual DEX
レンディング
NFTマケプレ
コントラクトデプロイ
Layer3 quest
色々考えるのがめんどくさいという方は、Layer3のクエストの指示通り触れるとScrollのプロトコルを満遍なく利用できると思います。
あくまで予想ですが、これまでの傾向からシビル対策、資金量、トランザクション回数、継続期間を意識するといいと思います。
よりハイリスク、ハイリターンを考えている方は、DeFiLlamaなどでプロトコル一覧から有望なプロジェクトを探して利用してみれば、Scrollだけでなく利用したプロトコルのエアドロップも得られる可能性があります。
https://defillama.com/chain/Scroll
本日は以上です。
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