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おはようございます。今週もクリプトメルマガをお届けいたします。
今回は、DeFiLlamaが分裂の危機に陥っていた問題についてクイックに振り返ります。今回の事件から得られる教訓を言語化してみます。
Twitterでも解説していますが、もう少しこのトピックを深堀りしてみましょう。
🦙DeFiLlama分裂騒動から考える「クリプトプロダクトのマネタイズ」と「トークン発行の毒」
2023年3月19日、DeFiLlamaの創業メンバーはプロダクトマネタイズで意見が異なりました。この意見の対立はDeFiLlamaのトークン発行、分裂騒動へと波及してしまいます。
現在はその対立は和解され、トークンの計画もなくなりました。それまでの経緯はどのようなものだったのか、この事件からぼくらが学べることはなんでしょうか?
今回はこのテーマを深堀りしてみます。
TL;DR
DeFiLlamaはプロダクトマネタイズ方法に課題があった
解決策としてトークン発行をメンバーの合意なしで独自に計画
トークン発行反対派によってプロダクトがフォークされる
2023年3月21日、公式Twitterにて和解がアナウンスされる
🤯プロダクトマネタイズの問題
DeFiLlamaはプロダクトのマネタイズ方法に課題を抱えていました。
チームは、DeFiLlamaのダッシュボードだけでなく、Newsサイト、アグリゲータなど様々なプロダクトをローンチしています。
しかし、彼らの報酬を十分に支払うマネタイズができていなかったのです。
🧪トークン発行というドーピング
この問題の解決策として創業メンバーの一人はトークン発行をメンバーの合意なしで独自に計画します。
トークンの発行には短期的な資金問題を解決したとしても多くの足かせを生みます。 例えば、ガバナンスを分散すると優秀な経営者によるリーダーシップが機能しません。
そしてトークンの発行によって資金を集められたとしても長期的に開発チームを維持するだけの費用を賄うことができるか保証はありません しかし、トークンの発行はすでにコーディングされていました。そこでチームの分裂の危機に陥ります。
⚔️チームの分裂危機
もしトークン発行されるとプロダクトの価値はトークンに左右されてしまう可能性があります。
問題はトークン発行を計画しているメンバーがTwitterやドメインの管理をしており、発表するトリガーを握っていることでした。
そこで、反対派はプロダクトをフォークさせることにしました。
🤝チームの和解
2023年3月21日、公式Twitterにて和解したことがアナウンスされました トークン発行も分裂もなくなりました。
内部での協議によって問題は解決されました。 残念ながら細かい経緯は公開されていません。
✍️クリプトプロダクトのマネタイズとトークン発行
この事件からぼくらが得たい”インサイト”は何でしょうか 。
ぼくの意見では以下の点を指摘したいです。
DeFiLlamaチームのように優秀で多くのユーザーを魅了しているプロダクトでもマネタイズが困難
トークン発行は良い面と悪い面の両面を持っている
DeFiLlamaのように多くのユーザーが利用しているものであっても、Web3の思想を汲むプロダクトはオープンソース化されていたりすることがあり、マネタイズとなると短期的には実現し難い側面があるのは事実でしょう。
トークン発行の良い面は、ガバナンスを分散的に行い、意思決定を分権的に行うことができることなどがあります。しかし、これは機動的な意思決定や、カリスマによる経営手腕を発揮できないといった問題と表裏一体です。
クリプト関連のプロジェクトを立ち上げてすぐにトークンを発行したくなる場合もあるでしょうが、そのような場合にはこうした事例があることがまだ打つ手はないのかどうかといった検討材料になるのではないでしょうか。
👀DeFiLlamaの今後を期待する
今回、トークン発行に至らなくてよかったと個人的に思っています。
ぼくらは合理的な行動します。エアドロップの期待があればプロダクトを使います では、エアドロップの期待がないプロダクトは使わないのでしょうか? そうではありません。便利だから、楽しいから、承認欲求を満たすからといった理由で利用するのだと思います。
クリプトの市場は、ビッグテックが築いてきた市場規模に比べればまだこうしたプロダクトに利用料金を支払うユーザー層は厚くありません どんな領域であっても、マネタイズを後回しにしてでもユーザーの不便を便利にし、課題を解決するプロダクトがマネタイズに成功する切符を手にするのでしょう。
彼らのプロダクトはより一層の洗練された価値をユーザーに提供し、さらに大きなチームとなっていくことでしょう そうした期待やファンの意思をもってDeFiLlamaを利用しませんか。個人的には有料サービスがローンチされれば真っ先に活用したいです。
さて、本日は以上です。
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