EIP-7732(ePBS)の目的と概要を知る - Ethereumが無国籍のワールドコンピューターであるために
ZKロールアップ(validium/volition)のブロックチェーン連合Elastic chain- #144
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ZKsync unveils the Elastic Chain — an ever-expanding network of ZK rollups
Peter Thiel's Founders Fund Leads $85M Seed Investment Into Open-Source AI Platform Sentient
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Compute Labs is excited to announce a $3M Pre-Seed funding round
Mamori raises $5 million in Blockchain Capital-led seed funding
zkpにより、個人のプロフィールのZKPの生成し、身元を明かさずに年齢、国籍、人間性を証明できるクレデンシャルを作成できるRariMeがローンチされました。
ユースケースとしては、ZKをシビル対策として、または特定の国の国民がトークンを確実に受け取れるようにするプログマビリティを備えたエアドロップに使うといったことが想定されています。
仕組みは、スマートフォンの生体認証を利用して、RariMeはNFCチップ上のデータを検証し、年齢と国籍を反映したシークレットプロファイルを作成します。このプロファイルからZKPが生成し、Metamask snapを利用してウォレットに紐づけます。
スマートフォンの情報は、サーバーに保存される訳ではなくzkpはローカルで生成されるため、データ漏洩のアクシデントも防止されています。
モチベーションとして、現在のネット上の活動はCookieなどで広告として企業に利用されますが、Rariはこれをプロファイルとソーシャルグラフを非公開でありながら検証可能にすることを目指しているようです。
ZKsync unveils the Elastic Chain — an ever-expanding network of ZK rollups
Zksyncから、相互運用可能なzkrollupを構成するネットワークの構想を発表しました。
背景としては、基本的にはOptimismのOpstack、ArbitrumのOrbitなどと同様の取り組みでロールアップ間の相互運用性や、エコシステムの循環を作り出すことです。
汎用L2やAppchainを構築する共通キットを提供することで、全体で一体的なネットワークを構成するものです。簡単にいえば、ブロックチェーンの連合のようなものだと思います。
Elastic chain構想でしきりに出てくるキーワードは、Math(数学)によって実現するというものです。ゼロ知識証明の計算(コンピューティング)を用いて、相互運用性を実現する各コンポーネントを開発しています。
ZKルーター:Elastic chainの基盤を形成する。ネットワークの状態管理、チェーンへの記録、ネットワークの共有流動性の維持を持つ役割。
ZKゲートウェイ:EthereumとElastic chainを構成するZK チェーン間のミドルウェアとしてデプロイされ、ZKチェーン間の完全な相互運用性を実現する。Ethereumとネットワークのインタラクションを行う役割。
ZKチェーン:zkStackフレームワークで作成されたzkRollup(Validium、Vlitionを含みます)
Elastic chain構想が実現された状態とは
ユーザーは FaceID またはパスキー(シード フレーズは不要) でワンタップでオンボーディングできるようになり、任意の ZK チェーン上の任意のスマート コントラクトで自由に流動性にアクセスしたりできるようになります。
競合比較
以下は、ZKsync Era、Polygon zkEVM、OP Mainnet を比較した図です。Uniswap V2 スタイルの AMM プールでのトークン スワップ トランザクションを使用してスループットを測定し、異なるチェーンを同一条件で比較しているとのこと。
補足として、Jonが投稿していた誤解招くと指摘する投稿を紹介します。
Optimismは既にメインネット上で不正証明(fraud proofs)を実装しています。将来的にゼロ知識証明(ZK)を追加することも技術的には可能です。
Superchainに関してN/A(該当なし)とされているのは奇妙です。共有されたシーケンサーを前提としているにもかかわらず、現時点では3つのソリューションのいずれも実装や要件が定まっていません。
AggLayerは明示的にPolygon CDKに限定されていません。意図的に様々な技術を使用できるように設計されています。
ここで言及されているTPSは特定のテスト(zksync era、op mainnet、polygon zkevm上のAMMスワップ)に基づいています。これらの数値は、Elastic Chain、Superchain、AggLayerの実際の限界を示すものではありません。
Mint Blockchain Public Mainnet Is Now Live!
NFTに特化したEthereumのL2であるMintがメインネットを展開しました。テックとしては、OP Stackが用いられています。
テストネットまでに100のプロジェクトと40万のアクティブアドレスがあるようで、Optimismのバックアップにより規模を大きくしているようです。
エコシステムの活性化のために、MINTトークンの5%を開発者向けインセンティブとして既に割り当てており、現在はプロジェクトをまずは誘致することを優先しているようです。
CARV Alphanet is LIVE! raised 50M in total funding
CARVは、ゲームとAIのためのモジュラーデータレイヤーを構築するプロジェクトで、最近大きな進展を遂げました。3500万ドル規模のノード販売を成功させ、プラットフォームの分散化に向けた重要なマイルストーンを達成しました。
Alphanetでは、ノード運営者がネットワークのテスト運用を行い、システムのセキュリティを強化する作業に参加します。7月1日からはAlphanetでのノード運用と報酬獲得が可能になっているそうです。
CARV プロトコルは、ゲームやAIセクター全体でデータ交換と価値分配を促進するモジュール型データ レイヤーだとされています。データ検証、ID 認証、ストレージ、処理、AIのモデルトレーニングなどをカバーしています。
プロトコルにより、すべての個人が自分のデータを所有、制御、検証、収益化できるようになり、プライバシー、所有権、制御が個人の手にしっかりと保持されることを目指しています。
cvxNPR - a NPR token liquid locker.
Napier FinanceがConvexとの提携を発表し、cvxNPRが発行されることが明かされました。Napierは、Curveエコシステムにおける利回り取引の流動性ハブとして機能する取引所です。
Convexは、Curveエコシステムのイールドアグリゲータープロトコルで、Curveのガバナンスへの影響力を行使して、Napier と提携して、veNPR 保有者が大きなブーストを享受し、veNPR を流動資産として請求できるようにしながら、利回りを最適化して効率を最大限に高めます。
今後のTGEに向けて、Llama Raceというイベントをやっています。招待コードから入るとお互いポイントが貰えるので、興味があればご参加ください。
app.napier.finance/quests/E6ie7
Peter Thiel's Founders Fund Leads $85M Seed Investment Into Open-Source AI Platform Sentient
ピーター・ティールのファウンダーズファンドがオープンソースAIプラットフォームSentientに8,500万ドルのシード投資を主導しました。
Sentimentは、Polygon上で構築されており、AIの普及により、基礎となるコードが Google や Meta などの少数の超大国の手に集中するという懸念に対処することが目的とされています。
Others
Dragonfly Capital leads $15 million seed round in distributed cloud computing firm Prodia
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EIP-7732(ePBS)の目的と概要を知る - Ethereumが無国籍のワールドコンピューターであるために
EIP-7732は、Ethereumで初のePBS(enshrined proposer builder separation)を導入する提案です。ドラフト段階ではありますが、まずはこのEIPが解決しようとしている問題を簡単に説明します。
EIP 7732 is the first official proposal to enshrine proposer builder separation on Ethereum.
EIP-7732の前提理解:Ethereumにおける検閲(censorship)の問題
現在のEthereumのバリデーターは、「ビルダー」と呼ばれるサードパーティによって構築されたブロックを提案することでMEVによる報酬を最大化するために9割以上がMEV-Boostを利用しています。
ビルダーからブロックを受け取るには、さらに「リレーヤー」と呼ばれる仲介者が存在します。最終的に最もバリデーターの利益が大きくなるブロックを提案してもらう流れです。
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