Ethereum生みの親「ヴィタリク氏の人物像」と「クリプトとの関わり方」を『The Man Behind Ethereum Is Worried About Crypto's Future(TIME)』から考える
2022-03-30 Web3 Topics Newsletter - #9
このニュースレターでは、Web3に興味のある方、Web3関連の情報収集を効率化したい方に向け、話題のプロジェクトやトピックをやさしく解説していきます。毎週水曜日朝6時に配信しておりますので、情報収集にぜひお役立てください。クリプトを楽しみながら一緒に学習していきましょう。
Lawrenceです。
2022年2月にEthereum開発者などが集まるカンファレンス「ETEDenver(イーサデンバー)」が米国コロラド州デンバーで開催され、8,000人以上が出席しました。マイアミで開催されるBitcoinカンファレンスよりも技術色が強いのが特徴で、Ethereumでプロジェクトを構築する世界中のハッカーが集結しており、もちろん、VC(ベンチャーキャピタリスト)、投資家、政治家なども出席しています。
本日のMain Topicでは、このETHDenverに登壇したEthereumの生みの親であるVitalik Buterin(ヴィタリク ブテリン)氏のTIME誌のインタビュー記事「The Man Behind Ethereum Is Worried About Crypto's Future」などを参考(他の参考記事は最後にまとめて掲載)に、以下の2点を考察していきたいと思います。
Vitalik Buterin(ヴィタリク ブテリン)とはどのような人物なのか
クリプトの未来を憂う彼の思いを知り、クリプトをどのように解釈し、どう関わるべきなのか
TIME誌の記事原文の和訳をご覧になりたい方は、Taka 𝕊 cryptoさんの和訳記事をぜひご覧ください。
今回は、クリプトの仕組み紹介というよりも筆者の考察となります。前回までのプロジェクト解説などは、ぜひバックナンバーからご覧ください。
それでは、今週もよろしくお願いします。
1. Main Topic: Ethereum生みの親「ヴィタリク氏の人物像」と「クリプトとの関わり方」を『The Man Behind Ethereum Is Worried About Crypto's Future(TIME)』から考える
前提
本編の前提として「ETHDenver」について概要を紹介します。ETHDenverはいわゆるハッカソンイベントです。ハッカソンとは、プログラミングで開発したプロダクトのできを競い合ったり、色々な技術について数時間から数日をかけて参加者が一緒に勉強するイベントのことです。ETHDenverはこれらに加え、さまざまなメディアイベントが合体しています。
(ハッカソンという言葉自体は、ハッカーとマラソンの造語だったと思います。)
公式サイトから概要を引用します。
ETHDenverは、会員制のコミュニティ・イノベーション・フェスティバルです。2021年6月のSporkDAOの発生により、ETHDenverは世界で最初のイベントベースDAOとなりました。
2022年2月11日~17日の間、世界中のブロックチェーン企業がオープンソース形式でイベントを開催し、誰でも参加できるようになっています。
2月17日から20日のメインイベントの週末には、3つの会場が活気づき、ブロックチェーンのトップインフルエンサーや専門家による講演やワークショップ、プロジェクトに協力するBUIDLathonスペース、アートインスタレーション、ライブミュージック、ネットワーキングイベント、食べ物、飲み物などが用意されています。
ETHDenverは100%コミュニティの資金で運営されており、ETHDenverのコミュニティ組織であるSporkDAOは、「#BUIDL Colorado」を使命としており、ETHDenver 2022から生まれるプロジェクトに対して分配する500万ドル規模の資金調達を行います。この資金調達により集まった資金は、ETHDenverがインキュベーター、ローンチパッドとして機能し、イベント終了後にコミュニティへ直接価値を還元していく仕組みになっています。
ETHDenverのイメージがわきましたでしょうか。続いては、Ethereum生みの親ヴィタリク氏について深掘りしていきます。
Vitalik Buterin(ヴィタリク ブテリン)とはどのような人物なのか
ヴィタリク氏は、3月のTIME誌の表紙を飾りました。
ヴィタリク氏の来歴
クリプトに興味が深い方であれば、説明は不要かもしれませんが、あらためて彼の来歴をかんたんに列挙してみます。
1994年、二人のコンピューター科学者からロシアのモスクワで生まれる。カナダに移住後6歳ですでに数学や経済学、コンピューターサイエンスのギフテッドと認められる。
2011年、17歳の頃父親からBitcoinを教えてもらいBitcoinのブログを書くアルバイトを時給5BTCで請け負う。オンラインで知り合った開発者と共同し、2012年に「Bitcoin Magazine」を創設する。(のちに売却)
2013年、19歳の時にのちにEthereumとなるブロックチェーンプラットフォームを考案する
2022年現在、28歳。紛れもない現代のギフテッドだと思います。彼の幼少期について記述をTIME誌から引用します。
“The war is personal to Buterin, who has both Russian and Ukrainian ancestry. He was born outside Moscow in 1994 to two computer scientists, Dmitry Buterin and Natalia Ameline, a few years after the fall of the Soviet Union. Monetary and social systems had collapsed; his mother’s parents lost their life savings amid rising inflation. “Growing up in the USSR, I didn’t realize most of the stuff I’d been told in school that was good, like communism, was all propaganda,” explains Dmitry. “So I wanted Vitalik to question conventions and beliefs, and he grew up very independent as a thinker.” ”
ロシアとウクライナの両方の祖先を持つブテリンにとって、この戦争は個人的なものである。彼は1994年、モスクワ郊外でコンピュータ科学者のドミトリー・ブテリンとナタリア・アメリーヌの間に生まれ、ソビエト連邦崩壊の数年後に生まれました。ソ連が崩壊して数年後、通貨や社会制度が崩壊し、母親の両親はインフレが進む中、貯蓄を失った。「ソ連で育った私は、学校で言われた共産主義のような良いことのほとんどがプロパガンダであることに気づきませんでした」と、ドミトリーは説明する。「だから、ヴィタリックには慣習や信念を疑ってほしかったし、彼は思想家としてとても独立した人間に育ったよ」。TIME誌より引用
幼少期はソビエト崩壊後という社会情勢もあり、両親と共に困窮した生活を余儀なくされたようです。冷戦後、父親はソ連の共産主義教育のプロパガンダ(特定思想や意識や行動へ意図を持って誘導させる行為)に反し、ヴィタリク氏には慣習や信念を疑う思想を育みたかったようです。
2008年のリーマンショックなどの金融危機を背景に、父親から政府に管理されない代替プログラマブルデジタルマネーであるBitcoinを教えてもらった以降、ヴィタリク氏は10代でブロックチェーンやその技術に関する論文やブログを執筆していきます。
Ethereumの誕生と天才に与えた衝撃
その後、ヴィタリク氏は、当時のブロックチェーンは何かの用途に特化させたブロックチェーンが一般的ななか、「ブロックチェーンは、アプリや組織、金融商品、不動産融資、遺言など、さまざまな資産を保護したり管理したりする取引に役立つようになる」と考えました。もともと存在していた「スマートコントラクト」という概念を組み合わせ、あらゆる取引の技術的な基盤となるオープンソースプラットフォームEthereumを考案して、ホワイトペーパーを発表します。やがて集まったプログラマーやビジネスマンたちが、この実現に協力し数ヶ月後にEthereumを構築します。
ヴィタリク氏は、Ethereumを誰もがパーミッションレスでコンポーザブルで分散型のオープンソースプラットフォームとなることを望んでいました。しかし、集まったメンバーにはこのプラットフォームでいかにビジネスを構築するかや、顧客情報を利用したターゲット広告を販売するなどの暗号資産を利用したGoogleのようなアイデアを考えているメンバーもいました。結果として、権力や利権をめぐりいがみ合うことになります。
当時20歳のヴィタリク氏にとって、このような経験は衝撃を与えます。「お金儲けをしたい」という人間の剥き出しの欲望に触れることになったのです。最終的にEthereumは非営利団体の「Ethereum財団」が設立されます。創業者は分裂してしまいましたが、Ethereumコミュニティの思想的なリーダーとしてヴィタリクはメディアでの影響力を大きくしていきます。
ところが、ヴィタリク氏はリーダーというキャラではないということがインタビューからわかります。
Alexis Ohanian, the co-founder of Reddit and a major crypto investor, says being around Buterin gives him “a similar vibe to when I first got to know Sir Tim Berners-Lee,” the inventor of the World Wide Web. “He’s very thoughtful and unassuming,” Ohanian says, “and he’s giving the world some of the most powerful Legos it’s ever seen.”
”Redditの共同創設者であり、主要な暗号投資家でもあるAlexis Ohanian氏は、Buterin氏と一緒にいると「World Wide Webの発明者であるTim Berners-Lee卿と初めて知り合ったときと似た雰囲気がある」と述べています。「彼はとても思慮深く、控えめな人です」とオハニアン氏は言う。「彼は、これまでに見たこともないような強力なレゴを世界に提供しています」。”TIME誌より引用
ヴィタリク氏が予想していたかどうかはわかりませんが、Ethereumは当時の価格から高騰し、2020年にはEthereumを基盤にしたDeFiが流行、2021年はNFTが超高値で取引されるようになりました。現在はDAOと呼ばれる自律分散的な組織を形成するためのアプリケーションの在り方が模索されています。Ethereumは大量のトランザクションでガス代が高騰し、レイヤー2(L2)という技術開発に注目が集まっています。
Ethereumの今後の発展方針については、以前の記事で紹介していますのでよろしければご覧ください。
しかし、こうした裏には、シークレットフレーズを盗もうとする詐欺師や、投機目的やギャンブル、自己顕示欲や社会的評価のみを目的にしたNFTの買い漁り、そしてそれを煽るマーケティングがインターネットに大量に溢れていきました。これらを完全に否定するものではありませんが、ヴィタリク氏はよりパブリックブロックチェーンにより解決される社会的・公共的課題に目を向けていると思います。たとえば、選挙制度や公共財の適切な分配方法など、実際の社会的(公共的)な事象と紐づいた実需のある技術です。
ヴィタリク氏が憂いているクリプトの未来とは
ヴィタリク氏が憂いているは、「特定の企業や政府の手にブロックチェーンが集中してしまうこと」や「金銭的目的のみの技術の活用」だそうです。パブリックブロックチェーンにおける対等な取引や平等性に着目しているようにみえます。
”To Buterin, the worst-case scenario for the future of crypto is that blockchain technology ends up concentrated in the hands of dictatorial governments. He is unhappy with El Salvador’s rollout of Bitcoin as legal tender, which has been riddled with identity theft and volatility. The prospect of governments using the technology to crack down on dissent is one reason Buterin is adamant about crypto remaining decentralized. He sees the technology as the most powerful equalizer to surveillance technology deployed by governments (like China’s) and powerful companies (like Meta) alike.”
”Buterin氏にとって、クリプトの未来における最悪のシナリオは、ブロックチェーン技術が独裁的な政府の手に集中してしまうことだ。彼は、エルサルバドルが法定通貨としてビットコインを展開し、個人情報の盗難やボラティリティに見舞われたことを不満に思っている。政府がこの技術を利用して反対意見を取り締まる可能性があることが、ブテリン氏がクリプトが非中央集権的であり続けることに固執する理由の1つです。彼はブロックチェーン技術を、政府(中国のような)や有力企業(Metaのような)が同様に展開する監視技術に対する最も強力な調整役と見ているのだ。”TIMEより引用
政府や企業が権力を裏付けにブロックチェーンを運営するようになれば、それはブロックチェーンによる検閲耐性やトラストレスといった根本的な技術を活かしにくい状態となります。パブリックブロックチェーンの前には、個人も企業も政府でさえも平等であるという状況が、パブリックブロックチェーンの本質だと思っています。
また、ヴィタリク氏は次のように語っています。
Buterin worries about the dangers to overeager investors, the soaring transaction fees, and the shameless displays of wealth that have come to dominate public perception of crypto. “The peril is you have these $3 million monkeys and it becomes a different kind of gambling,” he says, referring to the Bored Ape Yacht Club, an überpopular NFT collection of garish primate cartoons that has become a digital-age status symbol for millionaires including Jimmy Fallon and Paris Hilton, and which have traded for more than $1 million a pop. “There definitely are lots of people that are just buying yachts and Lambos.”
”Buterin氏は、過度な投資、取引手数料の高騰、そして暗号に対する一般の認識を支配するようになった恥知らずな富の誇示に対する危険性を懸念しています。ジミー・ファロンやパリス・ヒルトンを含む大富豪のデジタル時代のステータスシンボルとなった、派手な霊長類漫画の超人気NFTコレクション、Bored Ape Yacht Clubを指して、「危険は、これらの300万ドルの猿を持っていると、ある種のギャンブルになる」「ヨットやランボルギーニを買っている人がたくさんいるのは確かです。」と彼は言います。”TIME誌より引用
NFTはカルチャーと結びつき爆発的に世界中で普及しました。最初はEthereumという基盤があったのが大きかったですが、現在ではSolana、ICP(Difinity)など様々なブロックチェーンでも多くのプロジェクトが登場しています。個人事業主のクリエイターは作品公開の手段やマネタイゼーションとして活用し、NFTプロジェクトを運営するスタートアップも現れています。これらの勢いはパッションエコノミーといわれる経済圏を形成し拡大してきました。
しかし、成功と呼べるようなプロジェクト(BAYCやPunks)の中には、ブロックチェーンを金持ちの自己顕示欲のために使ったり、投機性の高いNFTの売買が異常な取引高を示すなど、ステータスシンボルという役割の側面ばかりが強調されるようになりました。
これらはNFTがマスアダプトすることに貢献しましたが、この状況が持続可能だとは思えず、どこかで落ち着きが来ると思っています。そうなったとき、どれだけのNFTが今の価値を維持しているでしょうか。新しい技術の到来という熱狂の波が通り過ぎた時、本来の価値をもう一度見極めなければいけないと思います。
その本来の価値を考える上では、ヴィタリク氏は次のように語っています。
One of Buterin’s recent posts calls for the creation of a new type of NFT, based not on monetary value but on participation and identity. For instance, the allocation of votes in an organization might be determined by the commitment an individual has shown to the group, as opposed to the number of tokens they own.
”「金銭的価値ではなく、参加とアイデンティティに基づく新しいタイプのNFTの創造を求めるものがあります。例えば、ある組織における投票の割り振りは、個人が所有するトークンの数とは対照的に、その個人がグループに示したコミットメントによって決定されます。」”TIME誌より引用
より詳しくはヴィタリク氏のブログで読むことができます。
彼のブログは、世界中に対して議論を呼び起こすきっかけを提供しており、クリプトに関わるすべての人々に対して気づきをあたえるような形をとっています。
とはいえ、彼の影響力を持ってしてもすでにEthereumはコミュニティにより運営され、彼の力だけでは方針を修正できる訳ではありません。それは彼も望んでいる分散性です。ゆえに、あらゆるメディアでこれからも彼のできる情報発信をしていくのでしょう。
以下、こうしたヴィタリク氏の考えに触れ、我々はクリプトをどのように解釈し、どう関わるべきなのかについて考えていきたいと思います。
クリプトをどのように解釈し、どう関わるべきなのか
NFTの熱狂を否定しているわけではない
ヴィタリク氏は、高額NFTの取引が投機的に加熱していることや国が法定通貨にビットコインを採用するといったことを肯定していませんが、NFTの熱狂までも否定している訳ではないと思います。Ethereumを利用するユーザーとその上で動くアプリやプロジェクトの魅力によって、今日のEthereumがあります。もし、BAYCやPunksがなかったとしたらNFT、Ethereumにこれだけの注目が集まるのは今よりももっと先になっていたことでしょう。
誤解による成長には歪(ひず)みが生じる
一方で、パリス・ヒルトンやジャスティン・ビーバーがBAYCを購入し話題となりましたが、新たなステータスシンボルのような意味での取引が登場するなど、NFTが「非代替性トークン」や「唯一性」のような曖昧な表現をもって誤解されるケースも増えました。NFTはあくまでトークンであり、このトークンという概念の理解をする必要があるのが根本的な原因であると理解しています。つまり、NFTは情報の宛先(保存先や記録先)がどこで、何(誰)のアドレスなのか、を指し示すインジケーターの役割を果たしているということです。(フルオンチェーンなどはこの限りではありません。)
こうした誤解や値段の裁定取引(アービトラージ)を狙った投機が増えたのは、良くも悪くも共同幻想的に生まれた歪みによるものだと思っています。
クリプトにおけるハードルの高さをどう捉えるか
クリプトはビギナーにとってハードルが高いです。それは、ETHを購入するにしても取引所の口座開設とKYC、銀行振込、買付といった流れが必要なのもそうですし、MetaMaskのようなノンカストディアルウォレットという格段に高いリテラシーを求められるソフトが必要だからです。しかも、ガス代には数千円から1万円程度がすぐになくなりガス負けしてしまう。しかもTwitterで「MetaMask」とつぶやくだけで群がるスキャム、Dappなのに運営が資金を持ち逃げするラグプルなど、ビギナーを寄せ付けない要素は挙げればキリがありません。これらのハードルを乗り越えた先にあるのは、国家や企業に管理されないデジタルマネーという崇高な理念に基づく抽象的なメリットであり、ビギナーが具体的なメリットとして実感しやすいのは国際送金の便利さぐらいだと思います。しかし、国際送金の利便性を実感できるほど日常に国際送金事務がある訳ではない人が多数なはずなので、実質、ビギナーからすればデメリットばかりが目につきます。
クリプトとどう関わるべきなのか
ヴィタリク氏の発言をもう一度引用させていただきます。
One of Buterin’s recent posts calls for the creation of a new type of NFT, based not on monetary value but on participation and identity. For instance, the allocation of votes in an organization might be determined by the commitment an individual has shown to the group, as opposed to the number of tokens they own.
”「金銭的価値ではなく、参加とアイデンティティに基づく新しいタイプのNFTの創造を求めるものがあります。例えば、ある組織における投票の割り振りは、個人が所有するトークンの数とは対照的に、その個人がグループに示したコミットメントによって決定されます。」”TIME誌より引用
お金で買える地位(ポジション)ではなく、コミュニティにどれだけ貢献したか、いわば汗をかいたか、によってトークンを配布するなど、金でステータスを買うような関わり方ではなく、コミットメントを尺度にするような関わり方が必要である、と解釈できると思います。
たとえば分散型CMSのHiÐΞプロトコルでは、「記事を書く・投げ銭をする」といった行為がプロトコルに対する貢献と見なされ、財源報酬の対象となります。これをパブリックブロックチェーンで記録することで、スマートコントラクトによりDAOのような組織形態を取ることも可能になるという仕組みをとっています。
また、より具体的な関わり方の話になりますが、入門者にとって詐欺やGOXの可能性が多く、動機もなしに足を踏み入れると実害があったときのダメージが大きいので、「テクノロジーに興味がある」、「お金の匂いがする」、「Web3でやってみたいことがある」などの動機を定義してクリプトに関わるべきでしょう。定義したから被害を減らせるかわかりませんが、少なくとも目的意識による資産の防衛本能は漫然とするよりマシかもしれません。とはいえ、MetaMaskの使い方、NFTの購入方法などを独力で調べ、知識を吸収していく姿勢があれば、NFTの熱狂(あくまで一例)のような今まさに世界中で起きているムーブメントをリアルタイムに体験していくことができるのではないかと思います。
まとめると、
パブリックブロックチェーンやDappsに原則カスタマーサポートはないので、自分で管理していくメンタリティと防御力のための情報収集を常にしていく必要があり、金銭的な儲け話のみではなくコミットメントやそれに基づく貢献の尺度を反映させるクリプト(NFT)との関わり方が必要だと思います。
そうした際に、このニュースレターがお役に立てれば幸いです。
参考記事
2. Web3 Topics
今日までのWeb3に関連するトピックをピックアップしていきます。インプットにお役立てください。
1. イーサリアムウォレットMetaMaskのユーザー数が3,000万人を突破、DAOとトークンを計画中 - Community-Driven Ecomedia - Medium
MetaMaskは、Web3アプリケーションでイーサリアムやその他の暗号資産を保管するために利用されており、現在の月間アクティブユーザーは3000万人を超えました。4ヶ月前からの数字では、42%増と伸び率も高いです。
DAOへの移行も検討されているような話題が出ていますので、トークン発行が楽しみにされていますね。多くの人が持っているはずなので給付金により大金を手に入れるとは考えにくいですが今後もMetaMaskに関わるニュースが話題になるたびに言われることでしょう。
2. 米ワイオミング州の「DAO法」、7月に施行へ | あたらしい経済
ワイオミング州で2月に提出されたDAOに関する法案は、7月に施行されることとなりました。
この法律によりワイオミング州のDAOは、ワイオミング州の有限責任会社(LLC)として7月から登記できるようになります。つまりDAOはワイオミング州の「Wyoming Limited Liability Company Act」に該当する組織形態となり、DAOのメンバーはDAOの債務に関する責任は「有限」となります。
3. ConsenSys raises $450 million Series D at $7 billion valuation
ConsenSysは、シリーズD資金調達ラウンドで4億5000万ドルを調達しました。この資金調達は、Infuraの世界的な普及を加速させるとともに、ブランドやアーティストのNFT採用を促進するConsenSysの取り組みを支援するものです。また、調達した資金はETHに変換される予定です。
infuraとは、Ethereumのノードを運営していたりするサービスで、MetaMaskのEthereumメインネットのデフォルトのRPCに設定されています。Ethereumのノードが多くがinfuraによるものでinfuraが停止した場合、ネットワークに影響があるといった課題が指摘されていますがこれらの強化を図る見込みです。
4. techtec、新たな「Learn to Earn」プロダクト開発で資金調達
資金調達をしたのは、DFINITY Foundation、dYdX、The Graph、cLabs、NEAR Foundationの計5つのファンドからです。今回調達した資金を「新たに開発するLearn to Earnプロジェクトの開発資金として使用」することを計画しています。
今回は資金調達に加えてパートナーシップの締結も兼ねたものとしており、今後はファンド関連チェーンに対応、あるいはそれらを題材とするプロダクトがリリースされる可能性があります。
3. Weekly Podcasts
今日までに放送したポッドキャストをまとめてご紹介します。気になるタイトルがあればぜひクリックして聞いてみてください。
「#435 マルチバースではコンテンツが大切」の回では、メタバース(仮想空間上にユーザーが同時接続的に体験を共有できるゲームなどのサービス)は、今後色々な企業が参入できるという意味で「マルチバース」となっていくと思っているという話をしました。
そうなるとどのような器(メタバース)なのかよりも、その中身(コンテンツ)が面白くなければ、そのサービスを利用しようという動機が生まれにくくなるはずです。メタバース系NFTで土地の売買が盛んに行われている状況に違和感を感じていたので、お話ししてみました。
4. 読者のコーナー
前回のニュースレターをベリーロングアニマルズという日本のNFTプロジェクトの方々に発見していただきました。
めちゃくちゃ閲覧数が伸びて驚きました。ベリーありがとうございます!
このニュースレターをTwitterでシェアいただけたら、こちらのコーナーでご紹介させていただきます。アウトプットにご活用いただけたら嬉しい限りです🙇♂️
最後までお読みいただきありがとうございました。
新型コロナウィルスワクチンのブースター接種をしてきたので、腕が上がらない、体が怠いというなか何とか執筆を完了させることができました。
海外ではマスクをしない日常に戻りつつあるようですが、日本ではマスクがデフォルト装備になってしまった気配がありますよね。自分が望んだ時以外自宅からなるべく出ない生活をするためにも引き続きニュースレターとポッドキャストの配信をがんばります。
ニュースレターで取り扱って欲しいトピックや勉強会を開いて欲しい内容がありましたらぜひコメント欄で教えてください。
それでは、また。
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