ETH現物ETFにおける米国SECからの承認期待が高まっています。
市場としてはサプライズ気味でした。ETH価格も一時パンプしたのは、SECが提出されているETFに関する19b-4の更新を求めたからです。
これは、ETFによるマネーの流入というだけでなく、ETHの証券性認定にも影響を与える可能性ある大きな出来事です。
PoSはブロックチェーンの最もポピュラーなコンセンサスメカニズムですので、ETHが”証券ではない”と解釈されるのであれば、同じPoSメカニズムのブロックチェーンを活用した技術やビジネスで過小評価されてきた存在が、一気に日の目を見るようになるかも知れません。
今回はこのテーマについて、Deep Diveしたいと思います。
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📰 crypto news
1.1% For Decentralisation: A Funding Model For Ethereum
分散型バリデーターテクノロジー(Distributed Validator Technology)を開発するObolがDVT ミドルウェア プロバイダー向けの「1% For Decentralisation」という資金調達モデルを発表しました。
DVTは、1つのバリデータを複数のオペレータによって分散運営することで冗長性を持たせ、より安定的なバリデータ運営を実現します。
この計画では、Obolの分散バリデータ(DV)クラスターは、ステーキング報酬の1%を「技術パートナー、研究者、コミュニティ教育者、ノードオペレーターなど、Ethereumのコンセンサスレイヤーに価値と影響を与えるプロジェクトに寄付する仕組みです。
OptimismのRetroPGFに近い考え方ですが、Optimismは実行層やユーザーのアダプションに活用されていますが、Obolはバリデーター、インフラ領域、コンセンサス、ネットワーク全体により集中的に重点を置く公共資金を提供する仕組みをもたらしたいそうです。
以下の図のように、よりDVTが採用されたバリデーターが増えるほど、Ethereumのコンセンサス層のために開発を行うプロジェクトに提供できる資金が増え、エコシステムが太くなるという仕組みです。
2.Lightspeed Faction leads $7.7 million Series A round for DePIN weather startup WeatherXM
気象観測に特化したDePINプロジェクトであるWeatherXMが、シリーズAで770万ドルの資金調達を発表しました。
WeatherXM は、分散型ストレージブのFilecoinに保存された環境データを収集する気象ステーションを開発しており、超ローカルな天気予報を作成することを目指しています。
観測ステーションを運営するユーザーは、プラットフォームのネイティブガバナンストークンであるWXMを報酬で受け取ります。
ユーザーは5月30日からArbitrumベースのデイリー報酬と累積報酬も獲得できるようになるとのことです。
ステーションの価格は400ドルからで、最上位モデルは900ドル。各機器は温度、湿度、日射量、風速と風向、気圧、降水量を計測できるインターフェイスになっています。WeatherXMは既に7,000台を販売し、80カ国に5,000台の気象観測機器を設置していることを発表しています。
3.DePIN project Blockless raises $8 million in pre-seed and seed funding rounds
DePINセクターでBlocklessと呼ばれるコンピューティングパワーのサポートを提供することに重点を置いたプロジェクトが800万ドルをプリシード、シードラウンドで調達しました。
今後数週間以内にテストネットを立ち上げ、Q3にネイティブトークンのBLESSとともにメインネットを立ち上げる予定です。
競合にはio.netやFluence Networkなどで、io.netの開発会社はシリーズAの資金調達で3,000万ドルを調達し、トークン評価額は10億ドルに達しています。
Blocklessはアプリケーションとユーザーを結びつけ、ネットワークを介してユーザーの計算能力のニーズを満たすことを目指しています。
ユーザーは、それらのアプリケーションとBlocklessから報酬を得ることができます。
4.ZkSync planning on token generation this week with airdrop in middle of June: Sources
zkSyncが間もなくTGEを行うというリークに基づいた噂がThe blockで記事になっていました。
総トークン供給量210億だそうです。エアドロップを6月13日頃と目されており、Blastの6月26日よりも前になる見込みです。
zkSyncを開発しているMatter Labsは、 a16z、Dragonfly Capital、Blockchain Capital、Crypto.com Capital、Placeholder Capital、1kx などの著名な投資家から2億5,800 万ドルを調達し、さらに 2億ドルのエコシステムファンドも調達しています。
近年のエアドロップでも、比較的大きな話題となるはずです。
5.Layer-2 Network Starknet Gets Ethereum Virtual Machine With Zero-Knowledge Proofs
EthereumのL2であるStarknetがzkEVM(Kakarot)が利用できるようになることが発表されました。
アプリケーション固有のチェーンを簡単に作成できるRaaS(Rollup as a Service)であるStarknet stackを通じて利用できます。
🫧 Deep Dive
Ether ETFs Clear Major Hurdle, Though SEC Hasn't Cleared Them for Trading Yet
SECが8つのETH現物ETFの19b-4を承認しました。
承認されたETF発行者は、
BlackRock
Fidelity
Grayscale
など
ただし、ETFの取引開始には今後S-1のSECの承認が必要で、審査開始から承認までは数週間から数ヶ月以上かかる見込みです。
19b-4とは
19b-4とは、証券取引所が新しい規則の採用、既存の規則の変更、または新しい製品の上場を提案する際にSECに提出する必要がある書類です。
S-1とは
S-1は、企業やETF提供者がSECに提出する登録声明書であり、新規株式公開(IPO)やETFの承認プロセスに使用されます。
文書には、企業やETFの概要、財務情報、リスク要因などが含まれています。SECはS-1書類を審査し、適切な情報提供が行われているかを評価し、承認を決定します。
19b−4が承認されたことをどう捉える?
19b-4が承認されることは、SECが証券取引所の提案された規則変更や新しい製品の上場について、連邦証券法に適合していると判断したことを意味します。これは、規制当局が提案された変更について満足しており、基本的な法的要件が満たされていると見なせると思います。
19b-4の承認が得られた場合、S-1の提出やSECの審査プロセスがスムーズに進む可能性が高まるはずです。ただし、19b-4の承認がS-1書類の承認を保証するわけではありません。S-1書類の承認は、SECが提出された情報を審査し、投資家保護や市場の公正性を確保が判断された後になるかと思われます。
Coinbase CEO Brian Armstrong says FIT21 can 'finally' create clear crypto regulation
Coinbase CEOのブライアン・アームストロング氏が、米国下院で投票される法案「FIT21」に対して、Xでもし通過すれば歴史的な投票になる、とコメントしています。
透明性のある暗号資産への規制に関するルールが作られるとしており、その法案内容に前向きです。FIT21は、デジタル資産に対する法的ルールを提供することを目指しています。
2023年6月に、CoinbaseはSECから証券法に違反するトークン(Solana、Caldano、ATOMなどを含む13の通貨)を上場して投資家に提供しているとして提訴されいます。
この一連の訴訟では、Coinbase側は一貫してクリプトに明確なルールが必要という主張をしてきました。証券に該当するトークンの定義が曖昧でSECの解釈次第で証券法に違反すると判断できてしまうものであったからです。
Coinbaseは、SECが行政手続法に違反していることを理由に、控訴裁判所にSECに規制の枠組みを作るよう指示するよう要請していました。今後、ETH現物ETFの承認がされれば、この訴訟の動きにも影響がありそうです。
ただし、これまでSEC委員長のゲンスラー氏がETHは証券に該当する可能性があると主張していたことはありますが、SECが組織として公式にETHを証券とみなすことを決定してきたことはありません。
ETHがETFとして承認されれば、次はどの通貨が?という考えになりますが、訴訟の中で言及されているアルトコイン(SOLやATOMなど)が、次のETFとして認められるのかどうかにはCoinbaseでの訴訟での判決も影響するのではないかと思います。
本日は以上です。
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