おはようございます!Lawrenceです👋
今回は、Notionがどのように成長していったのかの軌跡を辿り、彼らから学ぶべき教訓をまとめる。
クリプトにはあまり関係のない話題だが、プロダクトを成長させるという根本では共通するものがあるはずだ。
このニュースレターでは、クリプトを中心に、テクノロジトレンド・スモールビジネスをテーマに技術を利用し何かを成し遂げたいと思うすべての個人が活躍するための情報を発信している。
クリプトリサーチャーのバックグラウンドを活かした魅力的なトピックを毎週一つピックアップして深堀りしているので、購読をよろしくお願いします。
Summary
プロダクトとコミュニティの相互作用の重要性を、特にNotionの例を通じて探求することができる
Notionの成功は一人のプロダクトを愛する人の熱意が他の多くのユーザーに伝播し、熱量を増幅させた結果と言える
この熱意の源泉はプロダクトの愛される特性とユーザーとの直接的なつながりにある
データドリブンなアプローチとユーザーの情熱を組み合わせることで、持続的な成長とユーザー参加を達成していくことができるかも知れない
もしプロダクトを愛するユーザーが見つからない場合、その原因を見つけ出し、改善することが必要
Notionはこれらの経験を通じて、自身のコミュニティを強化し、プロダクトがさらに愛される存在へと成長していった
Notionのコミュニティとその成長
Notionは、タスクリストやスタートアップのWiki、デイリーログなどを統合するオールインワンのワークスペースである。
その美しいUIとWord、Excelなどの機能が集約されている点から、特にIT業界で広く使われている。ビジネスモデルはサブスクリプションプランを提供し、個々の作業に特化しすぎた既存のツールとは異なり、統合的な作業を実現することを目指している。
Notionの成功には、ユーザーコミュニティと愛好家たちの存在が大きく寄与している。コミュニティマネージャーのベンは、Notionを見たときに一目惚れし、自身の時間を惜しまず情報発信を開始した。
その熱意はマーケティング責任者の目にとまり、一熱心なユーザーがNotionの成長戦略の重要人物として迎えられることになったのだ。
コミュニティ構築の裏側
そもそもコミュニティとは、「価値観や興味を共有する人々の集まり」だとベンは定義する。ベンの挑戦の一つは、「アンバサダー・プログラム」の立ち上げだった。
こちらのツイートでも言及されているようにアンバサダーは非常にNotion において重要なポイントになっていった。
アンバサダーとはNotion公認のボランティアで、無償で普及や啓蒙、情報発信を行う存在だ。
アンバサダーの選定基準は「情熱」と「地理」だ。Notionへの深い理解と伝えることへの熱量を持った人々を世界中の都市と国で集める必要があった。また、コミュニティ構築の経験がある人が優先された。
日本でもコミュニティは非常に盛んだ。
アンバサダーを通じたコミュニティの拡大は、プロダクトへの良好なフィードバックを生み出すループを作った。同時に、Notionは多くのユーザーに認知されるようになった。
Notionとコミュニティの相互作用:Notionの成功への鍵
コミュニティは製品の最も熱狂的なユーザーとの直接的なつながりを生み出す特長を持つ。Notionは、その能力を活用し、驚くべき成果を上げている。彼らがNotionを使ってデートの記録、レシピの整理、結婚式のプランニングなど、多様なユースケースを発見し、それを理解することによって、製品開発の指針となっているのである。
しかし、多様なユースケースがあるということは、新規ユーザーが何をしたら良いのか分からないという問題も生じる。これに対する解決策としてNotionはテンプレートギャラリーを提供し、ユーザーの定着を迅速化することに成功している。
また、Notionのアンバサダーは新機能にいち早くアクセスすることができ、改善を行った上で全ユーザーに広くリリースする。これは、多くのSaaS企業がチャーン率やコンバージョンなどを指標として製品改善を行う中で、Notionが特に重視している取り組みである。
アンバサダーはロイヤルカスタマーを超えたパートナー
プロダクトが成長するための戦略を選択する場合、当然ながらROIなどの根拠を示す必要がある。よくプロダクトの成長を議論していく場合、ユーザーが答えを持っているわけではないのでインタビューやアンケートでの自由回答を鵜呑みにせず、データでの検証もせよ、となる。
それ自体は全く間違っていないと思う。しかし、Notionはあえてアンバサダーという熱量と知識を備えた最高のパートナーをコミュニティとして形成し、その人達の声を優先してフィードバックに活かすことを選んだ。
この戦略が愛されるプロダクトを生み、さらにアンバサダーによって新規ユーザーも増えるという好循環を作り出している。
コミュニティは直接的なコンバージョンを生み出すチャネルではない。それよりも、コミュニティの存在意義は、プロダクトを愛してくれるユーザーに対して耳を傾け、彼らが何を求めているかを理解し、そのフィードバックをプロダクトに反映するためにある。
インターネットのコミュニティは、生まれにくく、消失しやすい。その脆さを理解した上で、それでも熱烈にプロダクトを愛してくれる人を見つけることが、コミュニティによるプロダクト改善の一歩となる。
そして、こうした人々と向き合い、彼らのフィードバックを得ることが、プロダクトを唯一無二の存在にするための鍵となる。そのためには、データドリブンとして数値を検証しつつ仮説を立ててアクションを起こすとともに、プロダクトを愛するユーザーを見つけ出す視点も忘れてはならない。
見つからない場合は、プロダクトに改善点が他にあるか、認知度が足りないのかを問い直すことが必要だ。コミュニティは人間同士の集まりであり、そこには数値では測れない熱量と情熱があるからだ。
さて、本日は以上です。
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