📲 That's why We need Decentralized Protocols / Applications
2022-11-21 Web3 Topics Newsletter - #36
このニュースレターでは、Web3関連の情報収集を効率化したい方に向け、話題のプロジェクトやトピックをやさしく解説していきます。情報収集にぜひお役立てください。
Web3 Topics
今日までにぼくの目にとまったWeb3関連のトピックをジャンルごとに一覧で掲載します。
💵 Fundings:
Heroic Story raises $6 million to bring tabletop RPGs to web3
Colombia-based crypto platform Zulu raises $5 million seed round
🏦 DeFi:
⛓ Layers:
🎟 NFTs:
🧵 Tweets:
📰 Opinions:
👔 Enterprises:
⚔️ Regulations:
Exclusive: At least $1 billion of client funds missing at failed crypto firm FTX
Coinpost:仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ
Main Topics: That's why We need Decentralized Protocols / Applications
今回は、なぜぼくが分散型アプリケーションやその前提となるプロトコルが必要だと思ったのかという話をさせていただきたいと思います。この話は、ぼくがクリプトにのめり込むきっかけとなった話でもあります。
なお、前提として強調しておきたい点として、分散型アプリケーションがすべてのWeb2アプリを代替するべきであるという認識はありません。あくまで、「今後、社会のニーズとして分散型アプリケーションが求められるシチュエーションが出てくる見通しである」ということを述べた上で、ぼく個人の意見が形成された経緯を言語化したいと思います。
表現の自由とビッグテック
クリプト業界への転職をきっかけに書いた以前のニュースレターで、以下のように書きました。
スマートコントラクトの汎用性の高さに将来的な活用の可能性を感じるようになりました。そしてちょうどこのタイミングでトランプ元大統領がSNSを通じて支持者を議事堂に押し寄せさせる事件が起き、SNSの在り方やインターネットの在り方そのものを考えるきっかけになりました。この面においてクリプトの思想はぼくにとって新しい観点であり、優れた解決策になるのではないかと感じさせました。
トランプ元大統領が支持者を扇動しているとして、SNSアカウント停止が行われたことに起因し、理想的なインターネットの在り方、インターネット上での表現の自由について議論がされるようになりました。
ちなみに、最近イーロン・マスクがTwitterのCEOになり、彼の表現の自由への思想と思われますが、アカウントが復活しておりました。
トランプ元大統領はParlerというトランプ大統領支持者独自のSNSを立ち上げて情報伝達をしてました。ところが、GoogleやAppleがParlerをアプリストアから削除し、AWSはクラウドサーバーを停止しました。これにより、トランプ元大統領はインターネット上で発言することもできなくなり、サイト運営も不可能な状態になりました。
議事堂事件では死者がでるほどの大きな惨事が起きたのは事実ですが、上記のインターネットのビッグテックの対応に、表現の自由の軽視といった批判が出ました。ぼく個人の立場は、こうしたインターネット企業の対応は正しく、人命と表現の自由の比較衡量の結果、人命を優先すべきだという認識の持っている立場は明確にさせていただきたいと思います。
一方で、事件の対応として倫理的な判断をしたと見られているビッグテックですが、技術的には個人のインターネット上の表現を完全に潰せること、決済だけでなくクラウドのインフラまでを掌握して、制限することができる事実を証明したかたちとなりました。
こうした議論はビッグテックへの批判となり、Twitter社やFacebook社(元Meta社)は、株価が一時暴落しました。Facebookは個人情報の扱いにより力を持ちすぎているという批判がおき、Twitter社としては再三の警告にも従わない人物の対応を制限しただけであったにもかかわらず、企業価値を毀損するというジレンマに悩まされることになります。
こうした事情を受け、当時のTwitterCEOのJack氏はTweetし、内容の要旨は以下のとおりです。
トランプ元大統領のTwitterアカウントを永久凍結したことについて、私は称賛することも誇らしく思ってはいない。インターネットと世界規模の公共の会話は、人類の共通の理解と地球の平和構築のための最善かつ最適な方法だと信じている。しかし、現在はそうなっていないことも認識している
アカウント凍結は、公共の会話を分断し、われわれを分断する。説明や学びの可能性を制限することにもなる。個人や営利企業が世界的な公共の会話に権力を持つ前例を作る危険性がある。企業や政府は、私たちの方針と執行の矛盾を批判的に見る必要があり、私たちのサービスが無責任な気晴らしや危害にどのようなインセンティブを与えるかに慎重に検討し、ポリシーやオペレーションの透明性を高める必要がある。
これが私がBitcoinについて可能性を感じる理由でもある。Bitcoinは、ポリシーやオペレーションの透明性があり、誰の管理下にもならないお金だ。それはインターネットが目指す姿を示している。そういった背景から私たちは分散的なソーシャルメディアの規格となるBlueSkyを2019年に創業した。Twitterは将来的にその規格、プロトコルの1クライアントになることがゴールだ。
Jack氏が言いたいことを要約すると、ソーシャルメディアなどの表現の自由を実現する公共性の高いサービスなどは、一つの企業が扱うのではなく、TCP/IPのようなプロトコルとしてパブリックグッズ(公共財)のように成立させ、そこに各企業がプロトコルに合わせてアプリを作った方が良いのではないか、ソーシャルメディアはもはやそういった役割を持つほど巨大なプラットフォームになっているという主張だと思います。
つまり、特定の企業が運営するのはあくまで組織運営、インターフェイスの提供部分だけを担い、あくまでSNSアプリ自体は中央管理主体が存在せず、かつノードが分散されたブロックチェーンにデプロイされた分散型アプリケーション(Decentralized Application)として存在し、ユーザーに提供されるのが望ましいということなのです。
参考:https://twitter.com/bluesky
コモンセンスとテロリスト
しかし、プロトコルとアプリケーションが明確に分離されると、プロトコルは動き続けるためによって、アプリケーションへの悪用を避けることが難しいという問題が残ります。議事堂事件でいうのであれば、ParlerをEthereumなどのブロックチェーンにデプロイしてしまえば、何らかの方法でアクセス停止規制をしたとしても、別のインターフェイスによってParlerのコントラクトをCallできてしまうので規制の意味がないことになります。
このように、どうやって悪意あるユーザーの行動を制限するかというのは、ブロックチェーンのその思想からしても相反するものであり、解決が難しい議論ではないかと思っています。
Tornado Cashが規制を受けた際にも、プロトコルに対する規制はできないというCoinCenterの主張はそのとおりであり、未だ明確な解決策は見いだせていないのが現状です。
ぼくが分散型アプリケーションやその前提となるプロトコルが必要だと思った理由
2022年4〜6月のGAFAMの決算では、その成長性の踊り場感がありました。今後のテクノロジートレンドがダウンしていくとまではいえずとも、ビッグテックの勢いは鈍化しています。彼らの提供するサービスは便利で生活にもはや不可欠なっているのは事実ですが、それによる課題を認識しておく姿勢も重要であると思っています。
倫理観も含むコモンセンスという権利を守ること、インターネットを人類の共有資産として改善していくこと、テロリストに悪用されないようにすること、という壮大な命題に対して、分散型アプリケーションやそれを実現するインフラも含めたWeb3.0の展望にこそ、その解決策があるのではないかと期待しています。
SNSが社会的インフラになりつつあり、Web3.0を現実に最適化させていくためには、既存の仕組みで守られていた表現の自由などの権利などをどのように管理していくのかという問題は引き続き考えるべき課題です。
個人的には、そうした社会の到来に少しでも早くキャッチアップしていきつつ、その中で自己の成長と業界の成長とをかけ合わせ、新しいステージへと進む準備を淡々としていきたいと考えています。
今回は以上です。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、また。
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