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DAOでは、中心にスマートコントラクトのような自動的な装置があり、そのまわりに人間が仕事をするという組織形態であると思っていて、単純なオンラインのコミュニティとは区別する必要があります。
あらかじめ定められたルールによって集められた資金をDAOメンバーの決定により、投資し、事業を行う、という趣旨においては、Nouns DAOが今では代表でしょうか。
とはいえ、Nounsがそうであるように、どのようなことに投資を行うかについて民主的なプロセスで決定したあと、投資した事業を誰が、いつ、どのように、行うかといったことはまだまだ人間が必要となるのが現状であり、ここがうまくWorkすることができないDAO(もしくはDAOを目指すコミュニティ)が多いのでは、という認識を持っています。
DAOをうまくWorkさせるためのツールとしては、DiscordのBOTであるCollabo.landやMEE6が有名ですが、 細かいタスク管理や報酬配布までは行うことができません。自律的な作業を大規模に管理して整理することも困難です。
そこで、今回取り上げるのは、タスク管理ツールのTrelloやビジネスSNSのLinkedInのような機能を持ち、Web3ネイティヴでありながらDAOのタスク管理や報酬体制を自動化することが可能なDeworkを紹介します。
以下、Main TopicのSummaryです。
Summary
Deworkは、自律分散型組織(DAO)の内・外でのチームを連携し、タスクと報酬を透明性の高い方法で管理し、新しいDAOメンバー募集と言ったソーシャル機能があるコラボレーションツールのこと
メンバーは、複数のDAOプロジェクトにわたって参加する場合があり、各DAOでどのようなタスクを請負い、報酬はいくら受け取れる想定なのか、といったことを管理する必要があるが現状はむずかしい。一方DAOでは、誰がコミュニティへのコアコントリビュータなのかを把握して、透明性のある報酬提供や熱意ある人材の確保をしたいニーズがある。Deworkは、こうしたニーズを満たすツール。
DeworkではDiscordのロールをインポートしたり、NotionやTrelloからタスクをインポートできるのでこれまで関わってきたプロジェクトから移行することも容易であり、ウォレットを接続しておくことで自動的に報酬提供、報酬受け取りが可能
Deworkでは、パーパスを達成するためのタスクを自律的にこなし、大規模に管理することに優れており、将来的にマイクロDAO、サブDAOといわれるようないくつものDAOが組織され、そこを掛け持ちするようなワークスタイルが登場するとすれば、こうしたツールは貢献者にとってもDAOにとっても欠かせないものになる
それでは、今週もよろしくお願いします!
Main Topic:👔Web3ネイティヴなDAOツール“Dework”
Deworkの概要
Deworkとは
Deworkは、分散型自律組織(DAO)の内・外でのチームを連携し、タスクと報酬を透明性の高い方法で管理し、新しいDAOメンバー募集と言ったソーシャル機能があるコラボレーションツールです。
wallet接続により報酬はあらかじめ定められたルールに従い自動的に支払うことができる
DAOを運営する上で必要なスキルセットのマッチングは全てオンライン化されており匿名で成立する
DAOで活躍したい人はもちろん、クリプトにネイティヴに根差したカルチャーを支えるツールとしてさまざまな機能を有しています。
$5Mの資金調達
Deworkは、2022年6月、暗号投資大手ParadigmとPace Capitalが共同主導するシード資金調達ラウンドで500万ドルを調達しました。
このラウンドの他の投資家には、暗号取引所Coinbaseの元最高技術責任者であるBalaji Srinivasan氏と、Polygonの共同創設者であるSandeep Nailwal氏が参加しています。
現在の3人のコアチームといくつかのコントリビュータ、創設者兼CEOのロニス・ハマイリ氏が中心メンバーです。
Deworkが解決すること
Deworkでは、世界中から参加する膨大なDAOメンバーに対し、タスクを共有し、コミュニケーションが取れるツールであり、中心人物だけがOrganizeする訳ではありません。
これまでのコミュニティでは「管理者」という中心人物(およびグループ)がプロジェクト進行を統括し、「メンバー」という立場の人々が指示に従って行動するというのが一般的多い形態ですが、DAOにこのような構造が必ずしも合致するとは限りません。
メンバーは、複数のDAOプロジェクトにわたって参加する場合がありますが、各DAOでどのようなタスクを請負い、報酬はいくら受け取れる想定なのか、といったことを管理する必要があります。
一方、DAOでは、誰がコミュニティへのコアコントリビュータ(大きな貢献をしてくれている人)なのかを把握して、透明性のある報酬提供や熱意ある人材の確保をする場合があります。
Deworkは、こうしたニーズを解決するツールであるといえます。
Deworkの使い方
Deworkにアクセスしてみましょう。
アカウント登録はDiscordとの連携ができ、ロールをインポートすることも可能です。これにより自分が活動しているDAOとの同一性を失わずに活動することが可能です。もちろんアカウントを複数持っていれば連携するアカウントを分けて活用すればよいでしょう。
ホーム画面では、左側に自分が参加しているDAOが表示され、中央にはエクスプローラーが配置されています。自分のアカウントを設定する際に、得意なスキル(Research、Writing、Development、Community)などを設定することができます。DAO活で報酬を稼ぎたい時は、エクスプローラーからリアルタイムに登録されたDAOが求めるタスクをSkillでソートして一覧表示させるビューとなります。
気になるタスクがあれば、受注し、タスクを達成すれば、あらかじめ定められた報酬(Bounty)がウォレットに送られます。
Projectを立ててタスクを作成する
まずはOrganizationを立ち上げます。つぎに自分のプロジェクトを作成して、タスクを設定することが可能です。
プロジェクトがタスクの一番大きな単位となり、プロジェクトの中身にどのようなタスクを加えていくか、という入力方法となっています。また、タスク自体をインポートすることができ、NotionやTrelloですでに作成したタスクをDeWorkにインポートすればDework上でタスクを作成する必要がありません。
プロジェクトの中にタスクを作成する画面では、どのようなことをタスクを設定するか、誰にアサインするか(誰でもOKのような設定もOK)、達成期限はいつまでか、報酬金額をいくらにするか、といったことを設定します。
報酬に設定できるトークンは、ETHでもUSDCでも可能で、DAOのユーティリティトークンなど、独自トークンを設定することもできます。チェーンも複数対応しています。
コントリビュータはあらかじめウォレットを設定しておくことで、タスクをこなすことで定められた報酬が、自動でウォレットにTrasferされるという流れになっています。
Purpose(目的・ビジョン)を共有する自律的な貢献者たちの組織
DAOとオンラインコミュニティの違いとはなんでしょうか。個人的には、中心にプログラムがあるか、人がいるのか、であると思っていて、前者がDAO、後者がオンラインコミュニティであると認識しています。
DAOはコミュニティというよりも、機能や装置であって、仕組みです。共通のパーパス(Purpose)を達成するために、定められたルールに従って、「自律的に」に貢献する人たちが活動し、その活動を持続的に行うことができるようにする、というのが基本的なコンセプトです。
Deworkでは、パーパスを達成するためのタスクを自律的にこなし、大規模に管理することに優れており、将来的にマイクロDAO、サブDAOといわれるようないくつものDAOが組織され、そこを掛け持ちするようなワークスタイルが登場するとすれば、こうしたツールは貢献者にとってもDAOにとっても欠かせないものになるでしょう。
「自律的に」とは、自ら考えて行動してイベントを引き起こして物事を前に進めたり、調整したりできる状態であり、DAOでは誰かの判断や決定を待つような受動的なスタンスよりも、能動的な姿勢がデフォルトなのだと思います。
誰もが能動的に活動して問題なく動くリーダー不在の仕組み(組織)と考えると、いかにDAOが難しく、最初に作られる法であるコード(スマートコントラクト)、トークン設計がいかに重要かがわかります。
今週は、DeworkというDAOツールを通して、DAOでの活動や自律性について概観してみました。
今週のMain Topicは以上です。
参考
読者のコーナー
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