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今のクリプトに投機性は必要なエッセンスである

『The Casino on Mars』より。新たな惑星を訪れる勇気とバイアスの払拭 - #92

Lawrence
Sep 23, 2023
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今のクリプトに投機性は必要なエッセンスである

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ParadigmのCo-founderのMattが、『The Casino on Mars』という長文エッセイを公開した。

荒涼とした惑星をクリプト業界に見立て、ぼくらが「今後クリプトに対してどのような思いを持ってそれぞれの立場から関わればいいのか」といった示唆がいくつも散りばめられている。

上のサムネイルも業界を示すシンボルが可愛く描写されており、FTXやLUNAが燃えているところも含めてセンスが良い。

今回はThe Casino on Marsに書かれていたインサイトを少しずつ引用しながら、考察と所感を展開したいと思う。

クリプトが弱気相場で不安になっていたり、投機的だと糾弾され、どんな目的や目指すべきものがあるのか漠然とした不安を持っている読者にとって少しでも参考になれば嬉しい。

この記事を読んで興味があれば、ぜひ原文を読んで見てください。

それでは本日もよろしくお願いします。DIVE INTO CRYPTO!


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『The Casino on Mars』からのインサイト

まず、『The Casino on Mars』の全体像を説明。筆者は、クリプトを新しい惑星として考えてみることを提案している。以下、要約。

  • クリプトには懐疑論者は、クリプトは荒涼とした惑星だと見る。一方、楽観主義者は潜在的な可能性を信じて疑わない。

  • アーリーアダプターは多様な人々で、新しい可能性を探求している。

  • クリプトの統治は不明確で、新しい金融形態のチャンスがある。

  • クリプトの価値は、中央集権の弊害を解消し効率的な金融システムを構築できる点。

  • 投機は生産のエッセンスである。実際に技術に触れて、その価値を確かめてほしい。

以上が本文の大まかな内容だが、エッセイなのでニュアンスが伝わりにくい部分があると思っている。

『The Casino on Mars』の重要なインサイトを一緒に見ていこう。


Why crypto?を理解しづらい先進国

以下の引用は良い示唆だった。

人々は、ビッグ・メディア対ビッグ・テック、ビッグ・バンク対ビッグ・ガバメントといった戦争において、どちらかを選ぶことに熱心だが、ゆでガエルのように、私たちは知らず知らずのうちに、すべてが「ビッグ」である世界を認めてしまっているのだ。小さなものと多くのものが協調することを可能にすることで、クリプトは中央集権に対する重要な対抗手段であり、究極的には世界の自由を実現する力となる。

もっとも根本的な問いとして、「なぜ、クリプトなのか?」というものがある。新しい惑星を開拓することは非常に大変だ。なぜやる価値があるのか?

財産権を開放する新たなシステムは、既にそのシステムが整っている先進国では意義を認識しづらい。つまり、BTC・ETH・ステーブルコインが最も価値を発揮できるのは金融システムが整っていない国だ。そして、先進国では投機的だとされる。

財産権と自由を約束された国では、クリプトの有用性を理解することは感覚的に難しいのである。

しかし、クリプトの本質には中央集権化が進む世界を緩和することも重要な役割だと思う。既存のシステムではなく、以前には不可能だった新たなシステムの構築ができるはずだ。


イノベーションには、価値ある挑戦に資本と労働が投入される必要がある

このエッセイは、理想的な理屈を並べているわけではない。クリプトの負の側面にも触れている。

過剰な投機、エアドロップ農法、その他の悪ふざけは、そうでなければ生産的なイノベーションに情報を提供するはずの価格シグナルにノイズを加える。最も善意の起業家でさえ、偽の価格に騙されたり、短期的な利益に気を取られたりする可能性があり、最終的には暗号が実際に必要とするものを構築するプロセスを遅らせることになる。

これはぼくも感じるところで、新たな仕組みの挑戦や実験ではなく、既存の儲かる仕組みをただコピーしてローンチし、失敗なのか意図的にか分からないが全く音沙汰の無くなるプロジェクトが日常的にあるのは、どこかクレイジーだと思う。

筆者も指摘しているが、優秀なホワイトハッカーやセキュリティの専門家がいるので、自主規制の方策が検討されるべきなのかも知れない。

クリプトに関わらずソーシャルメディアが肥大化しており、アテンションを稼ぐことが仕事の成果に繋がるものも増えている。こうした背景は、誇大広告とも相性が良く業界には良い面も悪い面もあるだろう。


投機は生産のための入り口である

このエッセイの好きなところは、投機を肯定している点で、このエッセイの最も重要なメッセージだ。以下、引用する。

技術革命には投機的投資が不可欠である。通信ブームやインターネットブームから、鉄道、電気、自動車の台頭まで、新しい技術の躍進は、主流に採用される過程で常に投機や資産バブルと絡み合っている。

ビットコインの黎明期を想像してみよう。怪しまれ、インターネットのおもちゃのような存在であった。それが、今は事業者が参入しマイニングするビジネスがある。10年以上たった今は、BTCやETHを投機的なものから金融商品になろうとしている。

恐らく、アメリカのゴールドラッシュ時代にもまず持って投機的投資が必要だったはずだ。金をたくさん取ることができるだけでなく、それを背景にビジネスを展開するものも現れ、億万長者になった。

今では世界一の価値がある企業、Appleの株は投機的だからだとして上場当初には販売禁止にされたという。クリプトも同じように虐げられているのではないだろうか。

筆者の最終的な提案は以下になる。引用する。

大げさに宣伝された技術の多くは失敗し、クリプトも期待を下回る可能性がある。これを見極める最も確実な方法は、懐疑論や誇大広告といった外部環境を無視し、独自に考えることである。新しい惑星を訪れてみよう。投機的な動きを通り越して、実質的な建設者が何を建設しているのか、実際の人々が何を使っているのかに目を向けるのだ。

クリプト投機は時に不愉快かもしれないが、現代で最も重要な技術のひとつであるクリプト技術の起動メカニズムの一部なのだ。

ぼくも過熱していない投機は肯定だ。

儲かる勝算・インセンティブがなければ投資が集まらず、活動を継続する研究者のライフラインが維持できない。研究者がいなければ新たな技術の発展は進まない。

新たな惑星を訪れる。それの意味することは、懐疑論や誇大広告を完全に無視し、実際にクリプトに触れてみる。少しくらい投機的だと言われても構わない、ということだ。

投機性は今のクリプトにとって、必要なエッセンスなのである。

本日は以上です。

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Lawrence
·
Sep 19
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