👻 AaveのステーブルコインGHOはソーシャルレイヤーの発展により真価を発揮するのではないか
ソーシャルレイヤーとはなにか?Lens Protocolとのシナジーと市場への影響 - #76
今回は、Aaveのステーブルコイン、GHO(発音は”Go”)について。
DeFiレンディング大手AaveのDAOであるAave DAOが発行をガバナンスする新たな分散型ステーブルコイン。
CurveのステーブルコインcrvUSD同様、注目度が高くローンチからたった7日間で既に600万ドル以上が発行されている。
crvUSDについてはこちらの記事で解説しているのでよろしければご覧ください。
このニュースレターでは、
GHOは一言でいうと何が革新的なのか
ステーブルコインとしての性能は
GHOが市場にもたらす影響
以上の点から解説したいと思う。
結論からいえば、GHOはDeFiマーケットに対して新たな資金の流入をもたらすポテンシャルを持っていると思う。そして、その鍵はソーシャルレイヤーにあると考えている。
ソーシャルレイヤーとはなにか?
なぜ、GHOはDeFiに新たな資金の流入をもたらすと期待できるのか?
その理由は、GHOの特徴とソーシャルレイヤーを理解すれば納得できるはず。
それでは本日もよろしくお願いします。DIVE INTO CRYPTO!
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GHOは一言でいうと何が革新的なのか
GHOの革新的な点をひとつ挙げてといわれれば、「あらゆる信頼資産を担保としてステーブルコインの発行を可能にした」という高い柔軟性だと思う。
価格のペグは、AaveDAOによって決定変更される金利とアービトラージによる。
GHOでは、ファシリテーターというAave DAOによって参加を承認される主体がある。これは新たなGHOの発行体を追加したり削除したりできるようになっているもの。おそらくファシリテーターは、AaveDAOのようなDeFiプロトコルDAOなどが選ばれるものと想定される。
現時点では、ユーザーによって預け入れられた資産に対して、過剰担保型でGHOを発行することができる(これは一般的な過剰担保型ステーブルコインと同じ)。
しかし、たとえばRWA(Real world aseet)を担保にするファシリテーターを追加して、RWAを担保にGHOを発行させることもできるようになる。これにより、オフチェーンにある実在の資産からオンチェーンアセットが生み出される。つまり、不動産や売掛債権などをもとに新たな資金流入の機会を作り出すことができる。
上記の図では、1〜5までのユースケースが表記されている。
Aave:これまでと同じ
RWA:上記のとおり
デルタニュートラル:(例)UXD protocol
信用スコア:オンチェーンで信用スコアを可視化して担保に
トレジャリーバックト:プロトコルによって保持されたトレジャリーを担保に
ファシリテーターごとに発行できるGHOの上限は決まっているので、どこかのファシリテーターが崩壊を起こしても全体に影響が起きないような仕掛けがあることも安心材料。
ソーシャルレイヤー(Lens Protocol)によってGHOを発行する
クレジットをどのようにオンチェーンで取り扱うかはオラクルの問題がある。しかし、オンチェーンネイティブな価値尺度を評価軸にすればオラクルの問題は発生しない。
Aaveの別チームが開発しているLens Protocolは、分散型ソーシャルレイヤーの基盤となるものとして開発がすすめられている。先日V2が公開された。Lens Protocolでは、フォローの関係性、どのようなNFTをそのアカウント(ウォレット)が保持しているのか(ERC-6551準拠)などをオンチェーンで共有することができる。
恐らくだが、Lens Protocolがソーシャルレイヤーとしてレピュテーション(評判)を信用スコアとして可視化する役割を果たすことで、GHOが発行される仕組みが近い将来導入するのではないかと予想している。
Twitterのフォロワー数ではお金を借りることなど不可能だが、Lens Protocolではオンチェーンデータによるソーシャルリピュテーションの評価軸を活用できるため借入も可能となる。
これまで担保となりえなかった情報がオンチェーンデータとして新たな信頼資産として担保になり得る。
ソーシャルメディア上で与えたユーザーへのギブ、有力なアカウントからの被フォロー、オフチェーンでどのような貢献をしてきたのか(行動履歴)などが参照され、金銭的価値のあるステーブルコインを借入できようになる。
それが決済としても活用できるようなり、DeFiでの資産運用も可能になったらどうだろう?
これがソーシャルレイヤーによって、GHOの真価が発揮されると考える理由だ。
ステーブルコインとしての性能は
ステーブルコインは、安定性、分散性、資本効率性のトリレンマがあるといわれる。
今のところ、分散型ステーブルコインの位置づけで、この3つを完全に達成することを成し遂げているプロトコルはあまりない(UXD protocolは分散型ステーブルコインとして興味深い)。
GHOは、基本的には過剰担保型のステーブルコインであり、MakerDAOのDAIのように資本効率性は低くなる。資本効率性が低い=預けた資産が有効活用されてない、だ。
しかし、上述のファシリテーターが多様化されれば、過剰担保による資本効率性の低下を防ぎ、より柔軟なGHOの発行が可能となる。
この点において、担保として有効活用されないトークンを解放し、DeFiにさらなる資金効率性をもたらすと考えられ、DeFiに新たな展開を起こす起爆剤として期待できると思う。
GHOが市場にもたらす影響
既に600万ドル以上が発行されていることからも分かるように、GHOの流動性は時間とともに増加していくだろう。
Uniswap、Curve、Balancerなどの代表的なDEXでは、GHOをペアにしたプールが作られている。
中でもCurveはステーブルコインの低スリッページスワップができるため、流動性は集まりやすいのではないかと思う。そうなれば、crvUSD/GHOのプールは出来高が高くなるかもしれないと予想したが、現状はBalancerに流動性が集中している。
GHOのアナリティクスを見るなら以下のサイトが最も見やすくまとまっている。
CurveがcrvUSDの担保にLSDトークンを多く採用してきたことからも予想できるとおり、AaveでもLSDトークンを担保に入れたGHOの発行(借入)するユーザーが増える可能性が高いと思う。
その場合、LSDトークン発行体のリスクを継承することになるため注意が必要となることに留意することが必要だろう。
本日は以上です。
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