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デュアルステーキングとは何か?
それは、2つのトークンを活用することで、Proof of Stake(PoS)ネットワークの課題を改善する新たなアプローチ。
Eigen layerのブログで解説された、この提案の本質とは何なのか?
多くのブロックチェーンが採用するPoS。それ故に、問題の根幹も複雑だが重要度は高い。
今回のニュースレターでは、PoSの問題点に対してデュアルステーキングはどのようなアプローチで改善を試みているのかを解説。
PoSを採用するブロックチェーンがどれくらいこの仕組みを導入するようになるかや、その際のEigen layerがどのようなポジションを展開する可能性があるか考察する。
前提として、Eigen Layerがどのようなものかを解説した記事があるので、併せて読んでおくとより理解が深まると思います。
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🧵 Table of contents
⛓️そもそもPoSとは
🏋️♀️PoSネットワークの問題点
👥デュアルステーキングとは
👫デュアルステーキングの仕組み
🍣デュアルステーキングのアプローチ比較
🎣考察
⛓️ そもそもPoSとは
PoS(Proof of Stake)ネットワークでは、ユーザーがタスクを送信すると、ネットワークが適切に応答します。
ユーザーはネットワーク応答が定足数のルールを満たしていることを確認できます。
たとえば、PoS ベースの Oracle ネットワークでは、ユーザーは価格フィード更新のタスクを送信できます。
この場合の有効な応答とは、ネットワークの特定の割合 (X%) からの署名付き価格更新です。
たとえば、ChainLink は、有効な応答に対してこの定足数を66%に設定します。
同じように、ビザンチン フォールト トレランス (BFT) を利用する PoS ブロックチェーンでは、一般的なユーザー タスクはトランザクションを含めることです。
ここで、有効な応答とは、少なくとも 3 分の 2 のオペレーターの署名によって承認された、トランザクションを含むブロックになります。
🏋️♀️PoSネットワークの問題点
しかし、PoSネットワークを新しく立ち上げようとする場合(ブートストラップと表現される)、ある課題が存在します。
それは、新たなトークンを発行し、そのトークンを購入・入手してステークするように促さなければいけないことです。
一般的に、PoSのネイティブトークンは、インフレーションしてしまう場合、保有者が価値の無いトークンの在庫を抱えるリスクをもたらしてしまいます。
これは以下のような負のスパイラルを引き起こします。
トークンの価値が下落する
PoSのセキュリティが減退する
TVLが減少する
さらにトークンの価値が下落する
👥 デュアルステーキングとは
そこで、ディアルステーキングモデルがこの負のスパイラルの解決策となる可能性があると提案されています。
デュアル ステーキングでは2 つのトークンを使用して同じPoS ネットワークを保護します。
これらのトークンの 1 つが、ETH など、ボラティリティが低く、流動性が高く、より多くのアクセスを備えた外部ネットワーク トークンを採用することが望ましいです。
このような組み合わせによって、新しい PoS ネットワークが直面する前述の課題に対処できる可能性があります。
ステーカーは、インフレしてしまうリスクがあるネイティブトークンではなく、ETHをネットワークにステーキングする選択肢が増えます。
デュアルステーキングは「デススパイラル」効果も軽減し、ネイティブ トークンの価格が下落の影響は限定的にすることができます。
👫 デュアルステーキングの仕組み
トークンが 2 つあるので、ユーザーがネイティブオペレーターとETH ベースのオペレーターの両方からの応答を検証する方法が必要です。
有効な応答には、ネイティブオペレーターとETH支援オペレーターの両方が個別に定足数に到達する必要がある手法です。
いずれかの定足数が満たされていない場合、それは有効な応答とみなされません。これにより、ネイティブトークンによるPoSネットワークが負のスパイラルに陥ったとしても、ETHによってセキュリティが担保される可能性があります。
しかし、問題点としてどちらかのネットワークが定足数に達せず検証がストップした場合、ネットワーク自体がストップするという問題が存在します。
ネイティブデュアルステーキングでは、このアプローチはメッシュ セキュリティと同様に機能します。つまり、個々のオペレーター セットが個別にクォーラムに達するのではなく、それらを 1 つのオペレーター セットとして扱うことで、セキュリティの脆弱性や負のスパイラルの影響を軽減します。
拒否権ありのデュアルステーキングでは、従来の PoS システムと同様に、ネイティブオペレーターが独自に定足数を達成します。次に、ETH をサポートするオペレーターが安全装置として機能し、ネイティブ オペレーターのアクションをチェックします。
ネイティブオペレーターが間違いを犯した場合、ETH支援オペレーターは、ネイティブオペレーターが発行した有効な応答を拒否する権限を持ちます。
このアプローチであれば、PoSネットワークのライブ性(止まらなずに持続的に稼働する)を確保することができます。
🍣 デュアルステーキングのアプローチ比較
これらのアプローチはいくつかのトレードオフが存在しています。以下の表は以下の表は、Tendermintブロックチェーンのデュアル ステーキングを使用したこれらのトレードオフを説明しています。
Tendermint は 1/3 の正直さの仮定に基づいて動作します。
🎣 考察
PoSを採用するブロックチェーンがどれくらいこの仕組みを導入するようになるか
PoSチェーンがローンチ当初から、新たなネイティブトークンの価値を維持したり、向上させることは難しいです。
データアベイラビリティレイヤーのL1であるCelestiaもTIAトークン発行に当たっては、EVM初期のユーザーにもエアドロしたことや、取引所へのローンチを依頼するなどの戦略を取って現在の価格になっています。
このような取り組みはトークンの一定割合を拠出するなど、相応のコストが発生しています。現在は、やむを得ないコストと考えられていますが、デュアルステーキングが認知されればこのようなコストを軽減し、よりコアコミュニティやユーザへの取り分を残すことができます。
このような背景で、デュアルステーキングが今後採用されるようになるかも知れません。
Eigen layerがどのようなポジションを展開する可能性があるか
しかし、現状どのようにデュアルステーキングを実現すれば良いのか?という問題があります。
おそらくですが、Eigen layerのAVSとしてこのようにデュアルステーキングを実現できるようにするオプションを提供するのではないかと考えています。詳細は未発表です。
そうなれば、Eigen layerへのリステーキングによって、ETHの追加のステーキング報酬だけでなく、デュアルステーキングとなったPoSのネイティブトークンももらえるという経済的インセンティブが作り出されるはずです。
そうなれば、多くのユーザーが利益を得る機会を得ながら、PoSネットワークのエコシステムの拡大に貢献できるようになります。
そのような展開が起こるのであれば、よりEigen layerに対するユーザーの理解も進み、独自の地位を強固にしていく可能性が考えられるのではないでしょうか。
本日は以上です。
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