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🤖 Deep Dive 🧬
Aggregated Blockchains: A New Thesis AggLayer v1 mainnet coming in February.
Automata introduces TEE Prover in a multi-prover system with Scroll
Dymension CEO says mainnet is 'very close' and anticipates rollapp summer like ICO boom
🗞️ Worth Readings 🐼
Gibraltar Testnet Sees External Operators Running Espresso Sequencer Nodes:共有シーケンサーのEspressoが新たなテストネットをローンチ
Empowering Bitcoin zkBridge with EigenLayer Restaking and Dual Staking:Eigen LayerのAVSであるPolyhedra NetworkがBitcoin zkBridgeを発表
Safeguarding the ZetaChain Airdrop from Sybil Attacks and Bots using Unsupervised AI & Machine Learning:ZetaChainがSybil攻撃とボット行為に対処するためにSocialScanと協力(AIと機械学習を用いて、130万以上のウォレットを分析し、その中から30万以上を潜在的なボットとして特定)
Lending and borrowing using LLAMMa:CurveがcrvUSDを活用したレンディングマーケットの構想をGithub上で公開
Mode Secures an OP Grant to Build the Superchain:ModeがOPstackチェーンとしてDeFiハブを目指す貢献するためOp Foundationから200万OPを受領
Uma rolls out Oval to capture oracle extractable value in DeFi protocols:UmaがDeFiプロトコルでオラクル更新から生じる価値を捕捉するOvalというソリューションをFlashbotsとの共同開発により導入を発表
Polymer Labs Raises $23M to Build Ethereum’s Interoperability Hub:Polymer Labsが2,300万ドルのシリーズA資金調達を行い、Ethereumのインターオペラビリティハブを構築する計画
Masa raises $5.4 million in seed funding to build a personal data network on Avalanche:ユーザーのプライバシーを保護しながらAIモデルのトレーニングとアプリケーション開発ができるMasa Networkが540万ドルのシード資金調達
Rabbyのポイントプログラム
ポイントプログラムを採用するプロジェクトが最近増えてます。Rabbyもその一つで、これまで扱った金額やアクティビティに応じてポイントを配っています。
おそらくRabbyのトークンの発行準備かと思われますが、個人的にトークンをマーケティングに使わずともRabbyはとてもお世話になっていて純粋にプロダクト開発が継続して欲しいし、もっと便利になって欲しいという思いを込めて利用していきたいと思っています。
まだ活用されたことなくて、興味がある方はぜひ試してみてください。個人的にはアラート機能やトランザクションシミュレーションなどもはや必須レベルです。
それでは、今回もよろしくお願いします。DIVE INTO CRYPTO!
Deep Dive
Aggregated Blockchains: A New Thesis AggLayer v1 mainnet coming in February.
Polygonが、2月にAggLayerと呼ばれるブロックチェーンのアグリゲーションレイヤーを展開することを発表しました。
Polygon 2.0の構想の一つとされていて、Polygonエコシステム(Polygon CDKを活用したチェーン)同士の相互運用性をゼロ知識証明を活用したコネクションにより高めるそうです。以下の画像のようにチェーンの状態遷移情報をProofにして、それらを代表するProofを取りまとめてEthereumにポストするような仕組みです。
あたかも、複数のチェーンを”ひとつのチェーン”であるかのように、操作できるようにすることを目指しているようです。
シームレスクロスチェーントランザクションという機能が興味深いです。
左のAggLayer環境では、Gaming chainとX1 chain(OKXのPolygon CDKチェーン)がAggLayerの手前で独立している状態です。右のAggLayerの環境では、Gaming chainからX1に流動性提供を行っています。そのガスの支払いは、Gaming chain側のトークンでETHを支出するといった仕組みが可能なようです。
このUXはかなり便利で、先方のチェーンにまったくトークンを持っていなくても資産を預け入れたり投資することができるようになる点で回遊も楽になります。
異なるCDK経済圏での分裂
一方、OPstackでも同じCDKを利用しているチェーンで相互運用性を発揮できるようにしており、異なるCDK経済圏では結局のところ柔軟な取引が行える環境にはなっていません。
その点で言えば、IBCなどのチェーンやCDKを超えた規格を備えているチェーンはより相互運用性が高いと言えます。CDKごとに区切られた経済圏がどのような発展を遂げる可能性があるのかは興味深いです。
Scaling Security: Multi-Prover Implementation on Scroll
Automata NetworkとScrollの協力により、ゼロ知識証明のセキュリティの堅牢性を強化するシステムの導入が発表されました。
TEE Proverと呼ばれるこのシステムは、TEE Proverは安全な実行環境での証明生成と検証を提供し、軽量で効率的なブロック実行の検証が可能になるマルチプルーバーシステムと呼ばれる複数の証明者参加する仕組みになっています。
ScrollのTEE Prover設計は、SGX ProverとSGX Verifierの2つの主要なコンポーネントで構成されています。SGX Proverは、ブロック実行後の状態ルートが既存の状態ルートと一致するかをオフチェーンでチェックし、実行証明(Proof of Execution、PoE)をSGX Verifierに提出します。
SGX Verifierは、L1の契約で、SGX Proverが提案した状態遷移の正確性を確認し、プルーバーの整合性を保証するためにIntel SGXエンクレーブが提出する証明レポートを検証します。
なぜ複数の証明者が必要なのか?
zkrollupではゼロ知識証明を利用してL2トランザクションが正しく実行されたか照明を生成して検証します。このzk回路は非常に複雑でバグが発生しやすいと言われています。これらのバグは、特に健全性に関するものが識別が困難で、修正には多大な労力が発生することがボトルネックになります。また、集中型のシーケンサーとプルーバーを使用しており、セキュリティは運営者の誠実さに依存しています。
このような状況において、マルチプルーバーシステムを導入すれば、複数の証明者(プルーバー)が独立してトランザクションの状態遷移を検証することにあります。異なるタイプの証明者が同じトランザクションバッチに基づいて状態遷移について一致する場合、その結果の信頼性が高まります。これにより、単一の証明者に依存する場合に比べて、システム全体の健全性が保たれ、無効なトランザクションがシステムに侵入するリスクが軽減されます。
このような仕組みは、将来的にあらゆるzkrollupのオプションとして搭載され得る可能性高い技術であると思われます。
Dymension CEO says mainnet is 'very close' and anticipates rollapp summer like ICO boom
RaaS(Rollup as a Service)のDymensionのメインネット展開が迫っています。既にトークン発行のアロケーションが発表されており、メインネットはもう間もなくローンチされClaimできるようになると言われています。
DymensionのCEOであるYishay Harelは、EthereumのICOブームのとき以来の熱狂が訪れるとThe Blockのインタビューに答えています。
Dymentionは、他のRaaSと差別化されている点は、IBCと呼ばれるチェーン同士の互換性規格をサポートしている点にあります。Dymentionを使ったロールアップはIBCによってサポートされたチェーンとなることができ、個々のアプリケーションに最適化させたロールアップを立ち上げることが可能です。
このロールアップをDymentionでは、Rollappsと呼んでいます。
Bringing Madara support to Avail's Clash of Nodes
データアベイラビリティレイヤーを開発しているAvailがインセンティブテストネットを展開しています。Karnotは、StarknetのAppchainを展開できるMadaraとAvailに対応しているRaaSとしてパートナーシップを構築してテストネット参加を呼びかけています。
AvailとMadaraもCelestiaのようにトークンを発行する可能性があるため、エアドロップを狙うユーザーは注目しておく良いかも知れません。現時点では、テストネットでノードを動かす必要があるようです。
Eip-4844とデータアベイラビリティの今後の方向性
Ethereumでは、今年の3月までにDecunと呼ばれるアップグレードを予定しています。Eip-4844はプロトダンクシャーディングと呼ばれるトランザクションのデータ領域を利用可能にするもので、Ethereumのデータアベイラビリティの問題を改善することでL1にポストするL2のガスコストの減少が見込まれています。詳しくは以下の記事で解説しました。
ただ、Eip-4844が実装されたとしても、それは過渡期にすぎず、本来はDAS(データアベイラビリティサンプリング)を搭載するDankshardingまでは数年かかると言われており、まだまだガストを改善する余地があると思われます。
そのような課題をAlt DA(Data Avalability)プロジェクトがアプローチしており、様々なロールアップの採用が今後進む可能性があると思います。
Starknetによると、現在、L1(Ethereum)のデータコストがStarknetの取引コストの大半(95%)を占めていると報告しており、どのようにEthereumへデータをポストするコストを削減するかはL2にとって重要な問題となっています。これは、単純にL2の手数料が高騰してしまうこともありますが、彼らがシーケンサーフィーで収益を確保する必要があることも理由の一つだと思います。
Announcing Axiom's $20 Million Series A Round
ゼロ知識証明を活用してオンチェーンの実行コストを効率化するテクノロジーを開発するAxiomがParadigmやStandard Cryptoが主導するラウンドで2,000万ドルを資金調達したことを発表しました。
Axiomを活用すれば、オンチェーン履歴を圧縮して、トランザクションのログやイベント、トークンの残高などをオンチェーンで低コストで検証することができます。
パーミッションレスに他のアプリケーションとも相互運用ができるので、ガスコストを抑えるスマートコントラクトを開発する場合に活用することで、これまでオフチェーンで実行するしかなかった多くの動作をオンチェーン化することができるようになります。
例えば、ロイヤリティを与えるインセンティブ、プロトコル外との長期的なアクション、ガバナンスやアクティビティの集計などが該当します。
Axiom からの結果をアプリケーションで使用するには、_validateAxiomV2Call
および_axiomV2Callback
関数を実装して、クエリ結果を使用して Axiom が提供するコールバックを検証および実行するだけ、とのことです。
本日は以上です。
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