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🔍 Insights
EigenLayerのメインネットローンチに合わせて、今後6ヶ月〜3年ほど先の展開を予想したX postに多くの反響をいただきました。
サマリの内容としては以下です。
6ヶ月後:LRTエコシステムのさらなる拡大が起きる
1年後:リステーキング(EigenLayer)のリスクの顕在化して、大小のスラッシングが発生しルールの厳格化・緩和策が導入される
3年まで:ETHの保持理由の変化、ブロックチェーン業界以外からのニーズの高まり
これはあくまで単なる予想でしかありません。ぜひ、あなたはどうなると思うかコメントいただけると嬉しいです。よければ過去の記事も参考ください。
6つのEigenLayerのAVSもローンチしています。今後、リステーキングに対する内容が増えるかも知れませんが、リステーキングを専門にしたニュースレターが欲しいなとも思っており、この辺りは検討中です。
DIVE INTO CRYPTO!
🫧 Deep Dive
Virtual MachineからIM(Intent Machine)へ
Intent-based architecture と呼ばれるユーザーの意図(Intent)をTxの抽象化として扱う技術、仕組みの分野が発展しています。
以下の過去記事で概要を説明しています。
背景として、クリプトを扱うにはテクノロジー、金融、セキュリティなどあらゆる専門知識を要する上に、オペレーティブで面倒な手順を詳細に定義する煩わしさが課題となっていることにあります。
Anomaは、既存のブロックチェーンのさらに上位の抽象レイヤーとして機能し、ユーザーから受け取ったIntentをバッチして束ね、既存のパブリックブロックチェーンに中継し、Intentを具現化する役割を果たします。かつ、スケーラビリティについても犠牲にしない仕組みで取り組んでいます。
VM:ユーザーは、やりたいことと一致する実行トレース/一連のオペコードを理解し、指定する必要がある
IM:ユーザーは好みに基づいて終了状態を指定するだけでOK
※VMは命令セット、プログラムカウンタ、メモリストレージタイプを持ち、プログラムを順番に実行する環境のことをいいます。要はブロックチェーン用の仮想のコンピュータです。
実行環境に依存しないIntent-basedの抽象化レイヤー
Anoma は特定の実行環境に依存しません。
ユーザーは特定のチェーンと直接対話する必要はなく、多くのチェーンにまたがるインテントに基づいてより高いレベルの抽象化と対話します。その結果、特に技術に詳しくないユーザーであってもUXを向上させることができるそうです。
ただし、IM は VM に代わるものではないとされてます。追加のユーティリティが上に追加されるだけという位置づけです。
VM は実行環境として依然として使用されますが、IM 上に構築されるアプリはますます増えていくかも知れません。これはUXを追い求めた先の一つの解決策だとも言えます。
Anomaは 𝘪𝘯𝘵𝘦𝘳𝘧𝘢𝘤𝘦、𝘯𝘰𝘵 𝘢𝘯 𝘪𝘯𝘵𝘦𝘳𝘮𝘦𝘥𝘪𝘢𝘳𝘺 としており、あくまでクリプトアプリケーションを触る上でのあらゆるインターフェイスになるという位置づけです。 手数料を搾取したり、追加のトラストポイントを追加したりできるアクターにならない仕組みにしているとのこと。
AnomaがEthereumのIMになることについて
マルチチェーンにでのセトルメントの提供も行うため、異なるチェーン上のアプリケーションを利用する際に、チェーン間でアトミックな決済が可能になります。
現在Ethereumでは、アプリケーションはEVMと呼ばれる仮想マシンによって実行されています。開発者はスマートコントラクトという形で、EVMが実行するバイトコードを書く必要があります。
一方で、EthereumのメインチェーンやL2は、引き続きトランザクションのオーダリング(順序決め)、実行、決済を担います。
まとめ
Anomaが提案するのは、仮想マシン層の上に意図(intent)層を設ける事です。開発者はEVMの複雑さから解放され、アプリケーションロジックに集中できるようになります。
ユーザーはオペレーティブでリスクの高いUXを抽象化し取引を安全にかつ効率的に行える環境を手に入れることができます。
Anomaについては、Intent領域においても早くからR&Dを行っており、セクターをリードするような存在感を感じています。EigenLayerのリステーキングのナラティブに匹敵するほどの規模に成長するインパクトをweb3にもたらすと個人的には期待しています。
📰 News Roundup
$26 million in 'unnecessary liquidations' hit Blast-based lender Pac Finance
BlastのレンディングプロトコルであるPac Financeで開発チームがユーザーポジションの清算基準値を突然引き下げたため、2600万ドル相当の大量の清算が発生しました。
清算の 93% が単一のアドレスによって実行され、このイベントから244ETHの利益を得たことが指摘されています。チームはこの問題を認識し影響を受けたユーザーとコンタクトを取っているそうです。
Ethereumの開発者会議で、既存のEOAウォレットにスマートコントラクトのような機能をもたらすEIP-3074を、Pectraで知られるEthereumの次のアップグレードに含める議論がされ含まれることになりました。
EIP-3074 は、特定の機能をスマート コントラクトに委任できるようにすることで、一般的なウォレットに多くのユーザー エクスペリエンスを向上させます。これにより、大量のトランザクションの一括承認、さまざまな ERC20 トークンでのガスの支払い、セキュリティの強化やアカウントの回復などの機能が可能になります。
ただし、委任されたウォレットではトランザクションを開始できないため、このアップグレードは完全なアカウントの抽象化にはまだ到達していません。
Alpen: At the convergence of two revolutions
ビットコインにプライバシー、プログラム性、スケーラビリティを追加することを目指すAlpenがRibbit Capitalを引受先とする1,060万ドルの資金調達ラウンドを実施しました。Castle Island VenturesやGeometry、VillageGlobalなどが参加しています。
具体的な取り組みは以下です。
ゼロ知識証明技術を活用し、ビットコインにプライバシー、スマートコントラクト、スケーリング機能を追加する。
ビットコインをベースレイヤーとして、ZKプルーフで検証可能なロールアップエコシステムを構築する。このエコシステム上に、決済、貸借、ステーブルコイン、認証などのアプリを展開する。
これらのアプリはビットコインのネイティブ決済で整合性が検証され、ビットコインへの安全なアクセスが可能になる。
ビットコインの単純性を維持しつつ、ZKとネイティブスケーリングソリューションの融合によりプログラム性とスケーラビリティを実現する。
Monad Labs Raises $225M in Funding
Monad Labsは、ParadigmがリードしたSeries Bラウンドで2億2,500万ドルの資金を調達しました。Electric Capital、Castle Island Ventures、Greenoaksなど主要VCが投資に参加。Angelインベスターも参加しています。
Monadは、EVMのスループットと性能を飛躍的に向上させることを目指すレイヤー1ブロックチェーンです。データベース層、VMレイヤー、コンセンサス/ネットワーキング層に至るまで、EVMトランザクション処理の徹底的な最適化を行っています。具体的には、並列実行などの特徴的な手法を導入しています。
その結果、一般的な消費者向けハードウェアでも、高いスループットとスケーラビリティを実現できます。同時に、高度な分散化も維持できるのがMonad強みです。
主な特徴
MonadBFT:
HotStuffコンセンサスプロトコルの改良版で、リーダーのタイムアウト時の通信量を二次的に増加させることで、ラウンド数を三回から二回に削減。
パイプライン化された二段階のBFTアルゴリズムを使用し、最適な応答性と効率的なコミュニケーションを実現。
遅延実行(Deferred Execution):
トランザクションの実行をコンセンサスプロセスから切り離し、トランザクションの順序についてのみ合意を取り、その後に独立して実行を行う。
コンセンサスと実行の分離により、プロセスの高速化とスケーラビリティが向上。
並列実行(Parallel Execution):
複数のトランザクションを並行して実行し、最適化された実行方法を採用して効率を向上。
並行実行により、ハードウェアの利用効率とスループットが最大化される。
MonadDb:
高性能な状態管理用データベースで、Merkleトライデータ構造をネイティブにサポート。
非ブロッキングの読み書き操作を可能にする高度な非同期入出力操作をサポートし、多数のトランザクションを効率的に処理。
TPS(transaction per second)比較
Visa;65,000
Monad:10,000
solana:2,000
Ethereum:12
Bitcoin:7
https://usa.visa.com/solutions/crypto/deep-dive-on-solana.html
🌾 Yields & Airdrop
Layer N's Public Testnet Phase I is now live.
BTCfiナラティブ solv Protocol
Solv Protocolでは、BitcoinやステーブルコインをArbitrum、Merlin、Mantleでステーキングして、ネイティブな収益とポイントを生み出すことができsolvBTCをDeFiプロトコルで運用することが可能です。これにより、将来のエアドロップの対象となる可能性があります。また、$11Mの資金をSpartan Groupなどの支持者から調達し、さらにBinance Labsからも未公表の額を調達しています。
利用者は、指定されたウェブサイトからウォレットを接続し、Twitterアカウントを連携してXPを獲得することができます。XPは、SolvBTCへの預金、取引戦略に基づくVaultでの預金、または紹介リンクの共有によって獲得できます
預金した金額や日々の活動に応じてXPボーナスが付与され、特定のオプションでは預金された資金が2024年6月まで引き出し不可となります。さらに、紹介プログラムを通じて追加のXPを獲得することも可能です。
本日は以上です!
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